寂しい気持ちや体の不調を言葉で伝えることのできない犬は、何かを訴えるために鳴きます。もちろん、鳴く時間帯にも理由があります。今回はシニア犬が夜鳴きする理由と対処法を、いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生にお聞きしました。
理由1:「老化による不安」を抱えているから
人に置き換えて考えるとわかりやすいですが、老化により視力や聴力が衰えると、今までのように周囲のものごとが把握できなくなります。そのためシニア犬は、不安を感じやすくなるのです。
とくに暗い夜は周囲が見えにくく、静けさで身近な安心する音が減り、不安な気持ちが増すのでしょう。
理由2:「体の痛み」を抱えているから
シニア犬は、足腰の関節の痛みから夜鳴きすることもあります。この理由で鳴いている場合は、痛み止めの薬などで夜鳴きがおさまることもあるので、かかりつけの動物病院に相談してみるといいでしょう。
理由3:「認知機能が低下している」から
犬は、認知機能の低下が原因で夜鳴きをすることがあります。認知機能の低下すると次のような症状が見られるので、気になる症状があらわれたときは動物病院を受診してください。
認知機能の低下を示唆する症状
- 夜鳴きや遠吠えをする
- 同じ場所をグルグル回る
- 昼に寝て夜起きている
- トイレの失敗が増える
「どうする?」愛犬の夜鳴きの対処法
――シニア世代の愛犬が夜鳴きを始めたら、飼い主さんは、まず何をすればいいでしょうか。
岡本先生:
「日中こまめに起こして、日向ぼっこや軽めの運動をさせてあげましょう。これらを試しても夜鳴きする場合や、夜鳴き以外に食欲低下などの症状が見られる場合は、動物病院を受診してください」
目に見えないところで始まる犬の老化。見た目には変化していなくても、犬自身が感じる変化があることを、飼い主さんは理解していきたいですね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/いぬのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】犬が夜鳴きをする原因と対策!子犬~シニア犬まで』
取材・文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。