犬の食フンや飲尿は、実は人が思うほど異常な行動ではありませんが、困っている飼い主さんが意外に多いのも事実。今回は「いぬのきもち」読者の体験談をもとに、犬の困った行動の理由などについて、獣医師でドッグトレーナーの藤本聖香先生に伺いました。
夜中にウンチを食べる
「生後3カ月頃から食フンが始まり、やめさせようとしたからか、家族の前では食べないように。でも、隠れるように夜中にウンチをして食べています」(東京都 Jさん)
夜中にウンチをしないように、ゴハンを与える時間を調整してみてもいいでしょう。また、ウンチを片づけられたらおやつを与えるようにすると、誰もいないときに排泄しても、食べずに残しておくようになるかもしれません。
オシッコをペロペロなめる
「排尿後、一度トイレから離れるものの、戻ってきてトイレシーツにしたオシッコをなめています。『ダメ!』と注意したり、手を叩いて気をそらしたりしても無視です」(埼玉県 R.T.さん)
やめさせようとする飼い主さんのリアクションが、喜んでいるように見えて、わざわざしている可能性もあります。騒がずに好物のおやつで気をひき、その間に粛々と片づけましょう。
食フン・飲尿は病気の可能性も!
ゴハンの量が足りておらずエネルギーを補給するためや、ビタミンやミネラルの不足で栄養を補給するために食フンや飲尿をすることがあります。
また、消化不良や食欲増進などを引き起こす病気が原因でするケースも。
ウンチやオシッコをしたことを隠そうとしている場合も
食フン・飲尿をしたときや、トイレでない場所で排泄したときなどに、飼い主さんから強く怒られると、排泄すると恐ろしいことが起こると学習してしまうことがあります。その結果、ウンチやオシッコを隠すために食べたり飲んだりすることも。排泄まで我慢しかねないため、決して怒らないようにしましょう。
自分以外のウンチやオシッコを食べたり飲んだりする犬も
食フンや飲尿の習慣がある犬は、ほかの犬や動物のものを口にする可能性も。自分のものであれば健康に大きな影響はありませんが、自分以外のものだと感染症にかかるおそれもあります。散歩などで拾い食いをしないよう、注意しましょう。
先述したように、ケースによっては食フンや飲尿が病気の兆候である場合もあります。また、ほかの犬や動物のウンチやオシッコから感染症にかかるおそれも。目撃したら、一度獣医師に相談してくださいね。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師)
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『ちょっと恥ずかしい!? 知られざる生態も見えてくる! 愛犬のマニアック困りごと』
文/田山郁
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。