歯の健康は愛犬の健康長寿に欠かせません。歯みがきはもちろんのこと、すぐにできる「いい歯」のためにできることを「アニマルケアサロンFLORA」院長の中桐由貴先生に教えていただきました。今回は、簡単にできる2つの工夫をご紹介します。
歯周病は重篤な病気を招きます
歯周病の恐ろしさは口の中だけにとどまる病気ではないことです。歯周病菌が血液に入りこみ心臓や肝臓、腎臓に達し心臓病や肝臓病、腎臓病を誘発することが。また、歯周病菌を含む唾液を吸引して肺炎になったり、歯周病菌が血糖の調整を阻害し糖尿病の治療が難しくなることも。
いい歯のために食後に“味つき水”を飲ませよう!
人でいう食後の〝うがい〞感覚で、犬に水を飲ませると、食べかすなどの汚れが取れやすくなります。食後できるだけ早めに飲ませるようにしましょう。タイミングよく食後に水を飲ませるために、水にひと工夫を。水に鶏肉などのフリーズドライのおやつや鶏肉のゆで汁を加えると、お肉の風味に喜ぶ犬が多いでしょう。食後のタイミングにスープ感覚で出して飲ませてみて。
※〝味つき水〞は、傷みやすいので飲み終えたら置きっぱなしにしないですぐに片づけましょう。
※水におやつを入れた場合は、そのぶんのエネルギー量を差し引いて食事を与えるようにしましょう。
いい歯のためにかたすぎるものは与えない
かたいものを噛むと歯が強くなるイメージがありますが、歯を破折するケースが。破損した部分から歯周病に感染することがあるのでかたすぎるものは控えましょう。
おやつは、キッチンバサミでカットできるものを!
おやつでいえば、犬用ガムや骨、シカの角、馬のひづめ、アキレス腱などのかたいものを執拗に噛むと歯を破損する可能性が。噛むことは大切なので、キッチンバサミでカットできるかたさを目安にして与えましょう。
※確認のために小さくカットしたおやつを犬がまる飲みしてしまうと、食道内異物となり、場合によっては死に至る可能性があるので犬に与えないようにしてください。
いかがでしたか? どちらも簡単に取り入れられる工夫ですよね。愛犬のいい歯のために、ぜひ試してみてください。
お話を伺った先生/アニマルケアサロンFLORA院長 中桐由貴先生
参考/「いぬのきもち」2023年7月号『いい歯のためにできること』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室