言葉が通じないぶん、愛犬はしぐさで飼い主さんに気持ちを伝えようとします。今回はそのなかから、愛犬が「ちょっとイヤだな」と感じたときに見せるしぐさをピックアップ。獣医師の菊池亜都子先生にお話を伺いました。
体をブルブルと振る
抱っこされたくないタイミングだったときや、お手入れで長時間拘束されたときに見せることが多いしぐさです。嫌なことを我慢した直後に、「やっと終わった」という気持ちで体を振ります。緊張で硬直した体をほぐすという意味も。
体をかく
長時間のトレーニング中や、飼い主さんの指示を愛犬が理解できずに困惑しているときに「もうやめたいな」「まいったな」という気持ちで行うしぐさです。体をかくほか、前足などをなめたり、かじったりする犬もいます。
しっぽを振る
飼い主さんが怒っているときに、上目づかいをしながらしっぽを振ることがあります。これは飼い主さんに対して「落ち着いてよ~」と伝えているサインです。自分を無邪気に見せることで、相手の緊張をゆるませようとしているのです。
オスワリをする
飼い主さんに注意されたときや苦手な犬が近くにいるときなど、犬はストレスを感じると、冷静になるためにオスワリをすることがあります。
また、オスワリは立った状態よりも攻撃するまでに時間がかかるポーズです。そのため警戒されている犬に対してオスワリすることで、「攻撃しないから、あなたも攻撃しないでね」と伝える意味も。
フセをする
立場が上位の犬が、緊張状態の下位の犬に対して「攻撃しないから怖がらないで」と緊張を解こうとする気持ちで行うしぐさです。また、複数の犬が遊んでいる最中にヒートアップしすぎた際、いちばん余裕のある犬がフセをして「いったん落ち着こう」と制する場合も。
愛犬のこうしたサインは、スキンシップなど愛犬をかわいがっているつもりでも出ることが。状況によって違う意味を持つことがあるため、愛犬の表情や体全体を観察し、そのときの状況とあわせて総合的にチェックしましょう。ひとつのサインだけにとらわれないことが大切です。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「いぬのきもち」2019年9月号『愛犬の気持ちを知るヒントになる! 愛犬の意外な“イヤですサイン”に気づこう!』」
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。