犬のベテラン飼い主さんに3大指示しつけ(アイコンタクト、マッテ、オイデ)のアンケートをとったところ、半数以上が「できないときがある」と回答。愛犬へのしつけのなかでも重要度の高い3大指示しつけは、完璧にマスターすれば、日常生活に今すぐ役立ってくれます。今回は「アイコンタクト」についてドッグトレーナーの戸田美由紀先生に教えていただきました。
すべての指示しつけの基本! アイコンタクトができないとほかのしつけもできません
アイコンタクトはただ目を合わせるだけでなく、どんな状況下であっても愛犬を飼い主さんに注目させ、指示を聞ける状態にするもの。すべてのしつけにおいて基本中の基本であり、これが完璧にできていないと、そのほかのしつけも教えられなくなるほど重要な指示しつけなのです。
1個でも当てはまったらやり直しが必要です
以下のチェックリストに当てはまるものが1個でもあったら、その状況下でおさらいが必要です。やったことがないものは挑戦してからCHECKを!
□ 目ではなくおやつを見ている
□ チラ見で終わる
□ ほかに気を取られていると見ない
□ 無視されることがある
□ 目は合うが飛びついてくる
□ 家の外ではできない
□ ほかの人や犬がいるとできない
□ 興奮しているとできない
名前を呼ばれたらどんなときでも最優先で見られるのがゴール
飼い主さんが愛犬の名前を呼んだら、どんな状況下であっても必ず飼い主さんの目を見つめて、次の指示を聞ける状態になるのが「完璧」なアイコンタクトです。繰り返すうちに、飼い主さんが指示しなくとも、愛犬が自発的に飼い主さんを見るようになります。
基本のやり方 STEP1 鼻先でおやつをかがせる
片手におやつを握りこんだ状態で、愛犬の鼻先に近づけてニオイをかがせます。愛犬がおやつに興味をひかれている状態になったら、STEP2へ進みましょう。
基本のやり方 STEP2 手をあごの下に移動し、名前を呼ぶ
愛犬がおやつを握った手に注目している状態をキープしたまま、手をすばやく飼い主さんのあごの下に移動します。愛犬の名前を呼び、目を合わせましょう。
基本のやり方 STEP3 ほめてフードを与える
3~4秒の間、愛犬と目を合わせ続けていられたら、「イイコ」と声をかけてほめましょう。胸元や顔まわりをやさしくなでながら、手の中のおやつを与えます。
ゴールを目指してアイコンタクトを完璧に近づけよう!
まずは10秒を目指してみよう
愛犬が飼い主さんに長く注目できるように、アイコンタクトしつづけられる時間を延ばしていきましょう。まずは10秒を目標に練習を繰り返していき、慣れてきたら30秒、1分と延ばしていくとよいでしょう。
いろんな姿勢でやってみよう
飼い主さんが真正面にいるときだけでなく、いついかなる状況でも目が合わせられるように練習するのも重要です。横向きや座った状態、寝転んだ状態など、姿勢を変えながらチャレンジしましょう。
ハンドサインなしでやってみよう
慣れてきたら、名前を呼んだだけで目が合わせられるように練習しましょう。おやつを持った手は後ろに隠しながら目を合わせ、愛犬ができたらおやつを与えてほめましょう。
戸田先生によると、「できているつもり」にいちばんなりがちなのがアイコンタクトなのだそう。うちのコは完璧!と思っている飼い主さんも、ぜひ再確認してみてくださいね。
お話を伺った先生/日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター。DOG INTOTAL 主宰 戸田美由紀先生
参考/「いぬのきもち」2023年7月号『3大指示しつけを完璧マスター』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室