いつ、どのようにして覚えたのかわからない犬のマーキング。犬はあちこちにオシッコをして、周囲の犬にどんなことを伝えようとしているのでしょうか? 犬が散歩中にマーキングする理由と、いろんな場所でニオイをかぎ回る行動の意味を獣医師の増田宏司先生に教えてもらいます。
犬がマーキングをするのは安心や情報交換のため
犬が散歩中に、電柱や木の幹などにオシッコをするのは、マーキングという行動です。この行動は、ほかの犬を寄せつけないように自分の縄張りを主張する行動と考えられていましたが、最近では違う考え方が有力になっています。自分のニオイを拡散させることで安心したい場合と、犬同士のコミュニケーションとしてニオイの情報交換をしている場合があると考えられています。
ほかの犬を見てマーキングをマネすることも
子犬は生後半年頃から、足を上げてオシッコをするようになります。散歩へ出かけたときなどにほかの犬が高々と足を上げてオシッコする様子を見かけると、それを見てマーキングのマネをするようになることもあるようです。
いろんな場所でニオイをかぐのはマーキングの反応だった
先述したように、犬はマーキングをしてお互いに情報交換をしています。犬が外でニオイをかぎ回るのは、ここをどんな犬が通ったか判断するため。相手の犬のオシッコのニオイをかぐことで、ある程度の年齢や性別、健康状態、発情の周期などを判断することができるとされています。
そして、ニオイをかいだ場所に自分も同じようにマーキングすることで、犬は「○○が通りました」と伝え返しているのでしょう。「ニオイかぎ+マーキング」は、いわば犬の名刺交換のようなものです。
じつは、犬同士のコミュニケーション手段になっていたマーキング。犬の習性や行動の理由を理解して対応するようにしましょう。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部バイオセラピー学科(伴侶動物学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2018年3月号『犬は夜行性? 遠吠えで仲間を呼ぶ? 気になる習性の真偽に迫ります! 犬の習性コレってホント? それともウソ?』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。