犬が喜んでいるときなどに気持ちがしっぽに表れることは有名ですが、しっぽの役割は案外知られていないもの。あまり語られることはありませんが、犬のしっぽはとっても機能性に優れているのです。そんなしっぽの役割を獣医師の増田宏司先生に教えてもらいました。
うれしい気持ちや悲しい気持ちを表現してる
言葉をもたない犬は、相手に自分の感情を表現するときに、表情やしぐさなどのボディランゲージを使います。そのなかでも、しっぽの動きはとくにわかりやすく、感情が出やすい部位。愛犬の気持ちを知りたいときは、まずチェックしたいポイントです。
しっぽが上を向くのは喜んでいるから!
たとえば、愛犬がうれしい気持ちのときは、しっぽを立ててにこやかな表情をします。リズムよくしっぽを振って、喜びを表現しているでしょう。
反対に、怖いなどネガティブな感情のときは、しっぽが下がったり、お腹にしっぽを巻き込んだりします。
器用に動かすことで体のバランスを保っている
犬のしっぽには“おもり”のような役割もあり、方向転換するときや、狭い場所を歩くときに体のバランスを保って転倒を防ぎます。ほかには、走る速度を速めたり、ゆるめたりするときにしっぽを使うことも。体を上手に動かすために、しっぽは欠かせないパーツなのです。
巻き付けることで体を守っている
北国原産のシベリアン・ハスキーなどの犬種は、しっぽに豊かな飾り毛をもっています。これは、体に巻いて身を守るためのもの。体温を逃さないようにしたり、冷たい風から身を守ったりする、いわば“マフラー”のような役割をしています。
さまざまな場面で役立つ犬のしっぽ。かわいいだけでなく、犬が生活するうえでとても大切なパーツなのですね!
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部バイオセラピー学科(伴侶動物学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2019年11月号『かわいくて役立つしっぽに癒される “いやしっぽ”collection』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。