元気にはしゃいでいる愛犬を見ると、とてもうれしい気持ちになりますよね。しかし、度を越えた興奮は愛犬に悪影響を及ぼし、吠えや噛みなどの困りごとにつながるどころか、愛犬との生活が難しくなるケースもあります。
そこで今回は、なぜ興奮させすぎてはいけないのか、どういう状況で犬が興奮しやすいのかなどを、獣医師の藤本聖香先生に伺いました。
犬を興奮させすぎてはいけない理由3つ
愛犬の健康を害してしまう
犬が興奮して吠えたりジャンプしたりすると、首や腰などを痛めやすくなります。また、興奮するあまり飼い主さんの指示を聞かずに走り回るなどをすると、事故やトラブルに巻き込まれやすくなることも。そして興奮しやすい犬は、動物病院での診察が難しくなり、健康管理に支障をきたすケースもあります。
強いストレス状態が続く
本来「興奮」というものは、自身の高ぶった気持ちを発散させるために行う行動です。そのため、適度に行うのなら問題ありませんが、過度な興奮や興奮し続けることは精神的な負担が大きく、無駄なストレスを与えてしまうことにつながります。
愛犬との生活ができなくなる!?
興奮による激しい吠えでご近所トラブルに発展したり、飼い主さんの手に負えなくなったりして、愛犬との生活が困難になるケースがあります。獣医師の藤本先生曰く、「興奮グセがひどく、手放されたトイ・プードルもいました」とのことでした。
犬が興奮しやすいシーン:ポジティブ編
犬は、喜びや期待感などのポジティブな感情と、恐怖や警戒などのネガティブな感情、どちらが高まっても興奮します。ポジティブな感情で興奮するときによくあるシーンは以下の通りです。
・大好きな犬や人に会ったとき
・ゴハンやおやつを見たとき
・飼い主さんが帰宅したとき
・引っ張りっこ遊びなどをしたとき など
大好きな人や犬と会ったり、本能を刺激する行動をとったりしたときなどは、興奮しやすくなるようです。
犬が興奮しやすいシーン:ネガティブ編
ネガティブな感情で興奮するときによくあるシーンは以下の通りです。
・苦手な犬や人に会ったとき
・車やバイクなどを見たとき
・雷や花火などを大きな音や、聞きなれない音を聞いたとき
・動物病院へ行ったとき
・玄関チャイムが鳴ったとき など
犬にとって未知のものや警戒すべき対象に接したとき、身を守る本能が働いて興奮しやすくなるようです。
愛犬を興奮させすぎると、愛犬の心身に悪い影響になることがあります。愛犬の様子をよく観察して、興奮しすぎているなと感じたら興奮の対象から遠ざけるなど、できるだけ早めに落ち着かせるように心がけましょう。
お話を伺った先生/藤本聖香先生(英国APDT認定ペットドッグトレーナー 獣医師 Canine Relationz主宰)
参考/「いぬのきもち」2023年9月号『吠えて噛んで……エスカレートすると、犬の体にも心にもいいことなし! 犬の興奮をSTOP!』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。