犬の気持ちは、しぐさに表れます。愛犬がふだんしているしぐさには、どんな気持ちが隠されているのでしょうか。今回は、しぐさからわかる犬の気持ちについて、しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表の西川文二先生にお話を伺いました。
鼻をフンッと鳴らす
床など何かのニオイをかいだあとに行うことが多い、鼻をフンッと鳴らすしぐさ。ちょっと尊大な態度にも見えますが、じつは、犬はこのように鼻を鳴らすことで、嗅覚をリセットしているのです。気になるニオイがあるのでかいでみたけれど、大したニオイではなかったので「この情報は消去しよう」という気持ちのようです。
首をかしげる
犬は、人には聞こえない周波数やはるか遠くの音も聞き取れるほど、聴覚がすぐれているといわれています。なんらかの音が聞こえているとき、犬は首をかしげて耳の方向を変えることで、よく音を聞き取ろうとしています。「なんの音? どこから音がするのか正確に知りたい」という気持ちです。
床のニオイをかぐ
犬は視覚よりもニオイで、ほかの犬のことやまわりの状況などを知りたい気持ちがあります。「どんなニオイかな?」という疑問はとても重要なので、愛犬がニオイをかぎ始めたら、ニオイかぎしてOKな場所を決めてときには思う存分かがせ、情報を収集したい気持ちを満たしてあげましょう。
周囲にほかの犬がいるとき地面のニオイを熱心にかぎ始めた場合、そしらぬふりでもじつはその犬が気になっていて、「どんな犬か知りたい」と思っていることも。また、相手の犬が自分を警戒しているときはニオイをかぐしぐさをみせることで、「ケンカをするつもりはないよ」と気持ちを表現することも。
また、嫌なことなどから気をそらすためにニオイをかいだり、ほかにも、飼い主さんが帰宅したときに飼い主さんの服や靴、玄関の床のニオイをかいで、安心した気持ちになっていたりすることがあります。
飼い主さんを見つめる
飼い主さんを見つめるのは、犬にとって気になる、信頼を寄せる人に対する「好きだよ!」という気持ちからです。ちなみにアイコンタクトを学んだ犬は、飼い主さんのことを気にかけて見つめてくることもあります。
ほかにも、飼い主さんを見つめること自体が快感になっていたり、「おやつがもらえるかも!」と期待と要求が入り交じった気持ちで見つめていたりすることも。また、たとえばブラッシングなど、自分にとって苦手なことを飼い主さんがしてこないか警戒している場合もあります。
ふだん愛犬がしているしぐさには、愛犬の気持ちが込められていました。しぐさからわかる愛犬の気持ちをそのときの状況などと合わせて読み取ることで、コミュニケーションに役立ててくださいね。
お話を伺った先生/西川文二先生(しつけスクール「Can!Do!Pet Dog School」代表)
参考/「いぬのきもち」2018年2月号『しっぽを振るのは“うれしい”ときだけじゃない!? よくある愛犬のしぐさ じつは意外なきもちだった!』
文/小林けい
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
※内容をわかりやすくするために部分的に擬人化した表現を用いています。ご了承ください。