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小・中型犬がなりやすい病気って?獣医師が解説

犬の平均寿命は延びつつあり、なかには20才というご長寿犬も。そのぶん症例が目立ってきている病気もあるといいます。そこで日々多くの犬を診ている獣医師の松木薗麻里子先生と酒巻江里先生に、近年目につく病気について伺いました。今回は「小・中型犬人気の影響で増えた病気」をご紹介します。

イラスト/セツサチアキ
イラスト/セツサチアキ
トイ・プードルやチワワなどの小型犬と、柴など一部の中型犬の飼育頭数が圧倒的多数を占める昨今。それらの犬種がなりやすい病気が増加傾向に。

【歯周病】歯が密接してあごも薄い小型犬は重症化しがち

歯垢(プラーク)中の歯周病菌が原因の病気で、歯肉や歯の周辺の骨などが炎症を起こして壊れます。どの犬でもなる病気ですが、とくに小型犬は歯と歯が密接していて歯垢がたまりやすく、また小さいあごに対して大きな歯が生えているので、あごに影響するほど重症化する傾向があります。

歯みがきが最良の予防。ついた歯石は手術で除去

もっとも効果的な予防法は歯ブラシで歯と歯肉の境を毎日みがくこと。それでも歯石がついてしまったら、動物病院で歯周ポケット内も含めて歯石除去をしてもらう必要が。歯周病が進行すると、抜歯せざるをえないケースも。

【膝蓋骨脱臼】小・中型犬の多くは、膝関節がはずれやすい

後ろ足のひざの皿(膝蓋骨)が本来あるべき位置からずれる病気。とくに小型犬と一部の中型犬は、生まれつき膝蓋骨のおさまる溝が浅いことがあり、症例数も増えがちに。滑りやすいフローリングでの生活が増えたことも一因でしょう。

生活域の床は滑らない仕様に。ジャンプやダッシュも控えて

フローリングで滑ったり、ソファからのジャンプ、ドッグランでの急なダッシュはひざに負担がかかって発症するかも。床にはマットなどを敷き、ジャンプや急なダッシュはさせないで。発症後は程度によって外科手術を行うこともあります。
gemphotography/gettyimages
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【気管虚脱】体が小さい犬は気管を支える軟骨が細くて気管がつぶれがち

気管虚脱は、気管の形を保つ軟骨が弱くなって気管がつぶれる病気で、進行するとセキが出たり呼吸困難になったりします。どの犬でもなりますが、とくに目立つのがポメラニアンなどの小型犬と、柴などの一部中型犬。これらの犬種はもともと軟骨が細いこともあって発症しやすいようです。

散歩は首を圧迫しにくい形状のハーネスが◎

首を圧迫しにくいハーネスで散歩させる、激しく吠えさせない、肥満にさせないなど、気管に余計な負荷がかからないようにして予防を。発症後は、投薬では進行を止められないので、呼吸困難を起こしているような場合は気管を広げる外科手術を行います。
イラスト/セツサチアキ
イラスト/セツサチアキ
いかがでしたか? 今回は小・中型犬人気の影響で増えている病気をご紹介しました。ご紹介した予防に努めて、愛犬の健康長寿を目指しましょう。

お話を伺った先生/フジタ動物病院医長・獣医師。松木薗麻里子先生 同獣医師・酒巻江里先生
参考/「いぬのきもち」2024年11月号『今、気をつけたい犬の病気12』
イラスト/セツサチアキ
文/いぬのきもち編集室
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