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【獣医師監修】犬のイボ・しこり 悪性?良性?色や形別の原因・対処法

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カワイイ愛犬に突然しこりができてしまったら、どんな飼い主さんでも不安になってしまいますよね。今回は犬にしこりができる原因や悪性、良性の特徴、自宅での対処法や病院にかかった場合の治療法を、しこりの色や形ごとに解説します。


監修/加藤憲一先生 獣医師

犬にしこりができる原因

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しこりの定義

皮膚にできる突起物のうち、皮膚から隆起しており表皮が変化したものを「しこり」と呼びます。一般的に「皮膚乳頭腫」などの良性の腫瘍を指しますが、なかにはイボのようにみえる悪性の腫瘍も存在し、見た目だけで良性なのか悪性なのかを判断するのは困難です。

色の種類や大きさで判断!良性のしこりの特徴と原因

幼犬に多発性の良性のしこりができる原因の多くは、「パピローマウイルス」によるものだとされています。発がん性はなく、主に犬同士の直接的な接触や、すでにパピローマウイルスを持っている犬から感染することがほとんどです。特に肥満やストレス、睡眠不足などによって免疫力が弱まっているときには、良性のしこりができやすいので注意が必要です。

ほかにも散歩時に他の犬の尿や唾液に触れることで感染する場合もあり、大きさは1cm未満で、白色や黄色、ピンク色や赤色をしています。カリフラワー状になることもありますが悪性ではないため、数週間~数か月でポロリと自然にとれるのが特徴です。

老犬にみられる単発型は、頭部・眼瞼・肢端に発生し、非ウイルス性で、切除法での治療となります。

しこりができやすい犬種・年齢

基本的にはどの犬種にもしこりはできますが、そのなかでもシー・ズーやラブラドール・レトリーバー、イングリッシュ・コッカー・スパニエルやキャバリアは、比較的しこりができやすい犬種です。良性のしこりは肌色やピンク色など淡い色合いをしているため、毛の色が黒い犬種は比較的発見しやすいでしょう。またしこりが毛に隠れることのない短毛の犬も、見つけやすい傾向にあります。

代謝が落ちて抵抗力が低下している老犬や、免疫力が低い子犬は成犬に比べてしこりができやすいため、普段から注意深く愛犬の様子を観察し、予防を徹底することが大切です。さらに老犬の場合には悪性腫瘍ができる可能性も高くなりますので、皮膚に何かできた場合は早めに動物病院を受診することをおすすめします。

いぬのきもち WEBMAGAZINE「獣医師が解説する、愛犬の老化サインやシニアになってからの暮らし方」

良性のしこり・悪性のしこりの種類

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良性のしこりの種類

・脂肪腫
皮膚の下の皮下組織にできる脂肪のかたまりのことを指します。黄色みがかっており、ぷよぷよと柔らかいしこりができたときには、この脂肪腫である可能性が高いです。痛みやかゆみなどはなく、大きさもほとんど変化しません。

・皮内角化上皮腫
年齢が若い犬にできやすい良性のしこり。皮膚に0.5~4cm程度のニキビ状のものができ、表面には小さい穴が開いているのが特徴です。犬の体に害はなく、原因も未だに特定されていません。

・皮脂腺腫
小型の老犬によく見られるカリフラワー状の腫瘍。皮脂を分泌するための皮脂腺が詰まることによって発生し、患部が腫れたり細かい小さな腫瘍がたくさんできたりします。低悪性度腫瘍とも言われており、これらの症状があらわれた際は、早めに動物病院を受診して検査を受けるのがよいでしょう。

・乳頭腫(皮膚乳頭腫)
乳頭のような形状をしたしこりのことを指します。痛みはなく、良性のうちは自然治癒するため心配する必要はありません。しかし乳頭腫が悪性化すると扁平上皮癌を発症するケースもありますので、念のため病院で検査を受けて早めに対処することが重要です。

・皮膚組織球腫
若齢の犬の顔面・頭部・足先に好発する、赤く丸いドーム状に盛り上がったしこり。自然退縮することが多いです。

悪性のしこりの種類 =「がん」

・色や特徴
黒や赤黒い色、紫色をしているしこりは悪性の可能性があります。最初は小さかったしこりがどんどん大きくなっていくのが特徴で、小さくても触ったときにコリコリとしている場合には悪性のしこりである可能性があります。

・扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)
口のなかや耳、鼻の先端や爪の根元などによく発生する悪性腫瘍。しこりではなく、皮膚がただれたり、口のなかが出血するような症状で現れることもあります。転移はあまりしませんが、多発したり、手術後に再発の多いがんですので、早急に治療を開始してください。

・肥満細胞腫瘍
体のどの部位にも発症する腫瘍。この種類の腫瘍ができた皮膚は、盛り上がってこぶ状になり、表面が壊死したり筋肉が硬くなったりします。
様々な形態を示し、見た目だけでは判断しづらい腫瘍です。時に局所で強い炎症を起こし赤く腫れることがあります。

・悪性黒色腫
見た目が黒色のしこりが特徴で、特に口の中か爪床(爪の付け根)に発生するものは非常に悪性度が高く、発見した時には転移が進んでいることも多いです。

いぬのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(その他)」

いぬのきもち WEBMAGAZINE「犬がかかりやすい重病とは?7才になる前に知っておくべき基礎知識」

良性のしこり・悪性のしこりの治療法

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悪性のしこりは病院で治療

黒や赤黒い色、紫色をしていたり、大きさが1cmを越えている状態のしこりは悪性であることが多いため、見つけたらすぐに動物病院を受診してください。早期の腫瘍であれば、周りの健康な組織ごと大きく切除することで完治する可能性があります。

口にできてしまった場合は腫瘍の周辺をあごの骨ごと除去したり、ケースに応じては放射線療法や化学療法などを複数組み合わせた治療を行うこともあります。治療法に悩む場合にはセカンドオピニオンを受診するのも一つの手です。

しこりの予防法

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愛犬の体にしこりを発生させないようにするためには、常に生活環境や体を清潔にしておくことが何よりも大切です。2週間に1度のペースで肌にやさしいシャンプーを使用し、愛犬の体を綺麗に保つ、日光浴、食事などで栄養バランスを整える、極力ストレスを与えない暮らしを徹底するなど意識してみてください。

いぬのきもち WEBMAGAZINE「年齢に関わらず罹患リスクあり|犬のがんの種類や治療法をご紹介」

早期発見・早期治療を心がけて

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愛犬の体にできたしこりが良性なのか悪性なのかは、実際のところ見た目だけで100%判断することは難しいです。もし日々のマッサージや触れ合いで愛犬の肌に異常を感じた際には、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

しこりのように見える突起物のなかには放っておくと危険なものも多いため、自己判断で済ますのではなく早期発見、早期治療を心がけることが、愛犬の体を健やかに保つためには欠かせないのです。

監修/加藤憲一先生 獣医師



相模原プリモ動物医療センター院長。日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。麻布大学腫瘍科専科研修医。日本獣医がん学会所属。おもな診療科目は一般診療(外科、内科)/腫瘍科/画像診断科。日本獣医がん学会Ⅱ種認定医。

相模原プリモ動物医療センター

出典元/『いぬのきもち』WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(その他)」
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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