熱中症予防だけでなく、ふだんの生活でも水分補給は大切です。しかし、愛犬が水をあまり飲まないような時も…。そんなとき「水がダメなら他の飲み物を!」と考える飼い主さんもいるかと思います。ただし、犬には害になってしまう飲み物もあることを知っておきましょう。
暑いときは水分補給が大切!
気温が高くなると、危険視しなければならないのが熱中症です。熱中症予防には水分補給が大切ですが、「水をあまり飲まないから」といってワンちゃんに普段と違うものを飲ませるときには、十分な注意が必要です。
人には「体に良い」とされるものでも、ワンちゃんにとっては有害かもしれません。一般家庭によくある飲料を例にとりながら、ワンちゃんに与えるのはOKかどうかの境界線を見てみましょう。
「ミネラルウォーター」
ミネラルウォーターは与えてもOK?
外出先で「ワンちゃん用の水を用意してくるのを忘れた!」なんてこと、ありますよね。そんなとき近くに自動販売機やコンビニなどがあると、ミネラルウォーターを飼ってワンちゃんに与えたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
与えてもOKだけど常温で
硬水・軟水などの種類の違いによって、ワンちゃんの体に害が及ぶということはありません。しかし、ミネラルウォーターは冷えているものが多いので、必ず常温に戻してから与えましょう。冷たいものを大量に飲むと消化に悪く、吐き戻したり下痢をしてしまったりする可能性があります。水分補給として、常温のミネラルウォーターを適量飲むのはOKです。
「牛乳」
人用の牛乳は与えても大丈夫?
牛乳は骨を丈夫にするといわれており、人の健康維持に役立つ飲み物の一つ。健康効果も望めそうな感じがしますが、ワンちゃんに与えてもいいのでしょうか?
常温のものを水で薄めて!
傷みやすい牛乳は、冷蔵庫で保管しましょう。与える場合はミネラルウォーターと同様に、必ず常温に戻してから与えてください。そして水で倍以上に薄めること。体重5kgの健康な成犬なら、大さじ1までが目安です。ただし、乳糖を消化できない「乳糖不耐性症」のワンちゃんに与えるのは避けましょう。ちなみに脂肪分の多い豆乳を与える場合も、牛乳と同じように常温のものをごく少量、水で倍以上に薄めてから与えましょう。
「果実酢」
果実酢で気分転換させても大丈夫?
果実酢は健康飲料としても注目されていますよね。暑い日には水で割ったりヨーグルトにかけたりして飲めば、気分もリフレッシュされます。
少量ならOK!
砂糖を加えて飲みやすくしている果実酢は、ワンちゃんにとっては肥満のもとに。与えるなら10倍の水で薄めたものを、大さじ1/2までにしておきましょう。
与えていない?NG飲料
ワンちゃんに与えてはいけないNG飲料はコレ!
・アルコール類
・コーヒー・ココア
・炭酸飲料
・紅茶・ほうじ茶・緑茶
・野菜ジュース・フルーツ100%ジュース
これらの飲料は与えないように注意してください。
意外?フルーツ100%ジュースやお茶がNGなワケ
アルコール類やコーヒー・ココア、炭酸飲料をワンちゃんに与えていけないのは分かりますが、お茶類や野菜・フルーツ100%ジュースもいけないのはなぜでしょうか。
それは、紅茶・ほうじ茶・緑茶のお茶類に含まれるカフェインやタンニンが、ワンちゃんの体には有害なものだから。そして、野菜・フルーツ100%ジュースには塩分や糖分が多く含まれており、野菜ジュースなどのミックスジュースには、ワンちゃんにとって中毒を引き起こすタマネギなどが入っていることもあるからです。
これらの飲料は、常温に戻しても水で薄めても、ワンちゃんに与えるのはやめましょう。
人の体に良いものは、ワンちゃんの体にも良いと思いがち。しかし、人とワンちゃんの体の仕組みは違うのです。ワンちゃんにとって害のあるものは、与えないように気を付けましょう!
参考/「いぬのきもち」2017年3月号『ふだん使いの健康食材 犬に与えてOK?NG?』(監修:高円寺アニマルクリニック院長 高崎一哉先生)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。