犬が他の犬の上に乗り、腰をフリフリしている姿を見たことはありませんか?この行為は犬の習性のひとつで、すでにご存知かもしれませんが「マウンティング」と呼ばれています。今回は、そんな犬の習性についていくつか取り上げ、それぞれの理由とあわせてご紹介します。
マウンティング
犬がマウンティングをする背景には、交尾をしたいという性的な衝動や、自分の強さを誇示したい、相手を自分の支配下におきたいといった意味合いがあると考えられています。しかし、それ以外にも遊びの延長のような感覚で行われることもあり、子犬はマウンティングを繰り返すことで、犬同士の上下関係のつくり方や、力加減を学んでいるともいわれています。
なかには「興奮していてもたってもいられず、飼い主さんにマウンティングしてしまう」なんてこともあるのだそう。興奮を発散したい、という理由もあるのですね。
オシッコのマーキング
片足を上げて、電柱や木などにおしっこをかけるマーキング。これまでは、自分の縄張りを主張するための行為だと考えられていました。しかし最近では、縄張りの主張ではなく、おしっこのニオイを拡散することで安心したいという意味と、犬同士のコミュニケーションとして、ニオイの情報交換をしている、という考え方が有力になっているそうです。もしかすると、人の世界のSNSに近いのかもしれませんね。
穴を掘ってゴハンやおもちゃを隠す
外飼いの犬は穴を掘り、食べきれなかったゴハンや、お気に入りのおもちゃなどを埋めることがあります。これは野性時代の習性の名残で、食べきれなかった獲物を穴の中に保存しておいて、必要な時に掘り出して食べていたんです。
室内飼いの犬がおもちゃやボールを収集する行為も同様で、好きなものを隠しておき、あとでゆっくり楽しみたいという考えがあるのだそうです。人と一緒に生活をしている犬は、おそらく不自由のない生活を送っているはず。しかし、ふと野性本能が働いて、このような習性が出てしまうことがあるみたいですよ。
犬の遠吠え
離れている仲間とコミュニケーションを取るために行われている遠吠え。自分の位置を伝えたり、仲間を招集したりする役割があるそうです。また遠吠えは、救急車や消防車のサイレンの音と周波数が近いため、仲間の遠吠えだと勘違いして吠えてしまうこともあるようです。
ほかにも興奮して気分が高まったときや、寂しさなどのストレスを遠吠えで発散させようとするケースもあるようです。もし何度も何度も遠吠えをするような場合は、そのような理由があることも留意しておきたいですね。
犬特有の行動には、野性時代からの習性が残っているものが多いようですね。犬の行動について理解することは、愛犬との絆を深めることにもつながりますよ。
参考/「いぬのきもち」2018年3月号『気になる習性の真偽に迫ります!犬の習性 コレってホント?それともウソ?』(監修:獣医師 獣医学博士 東京農業大学農学部バイオセラピー学科(伴侶動物学研究室)教授 増田宏司先生)
「いぬのきもち」2018年4月号『10組の生活を毎月追いかけます!子犬のリアル!成長レポート(最終回)』(監修:獣医師 行動診療科指定医 藤井仁美先生)
文/なかやまゆ
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。