愛犬が健やかに暮らせる家は、家族にとっても心地よい空間に。足腰にやさしい床材やストレスのない動線、屋内外が自然につながる開放的な空間など、“愛犬ファースト”に工夫された家。
今回は、中型犬の多頭飼いのために設計された住まいの工夫をご紹介します。
リビングのどこにいても愛犬の姿が見えます
リビングの裏にある愛犬スペース。左からシャインくん(3才/暴れん坊)、ルークくん(5才/食いしん坊)ともにボーダー・コリー
「活発で運動量の多いボーダー・コリーが自由にのびのび過ごせる暮らしを夢見て〝愛犬ファースト〞なマイホームを建てました」と話すHさん。
「間取り設計のなかでもいちばんこだわったのは、2頭がゆったり過ごせる約4畳の愛犬スペース。ふだんは家の中でフリーにしていますが、来客時やお留守番のときはこのスペースを活用することで、愛犬に負担をかけずに過ごしてもらえます」
愛犬スペース内の勝手口からそのまま庭のドッグランに出られるという動線も、外遊びが大好きな2頭の暮らしにフィット。
「新居に引っ越してもうすぐ1年。庭やおうちで過ごす時間がぐっと充実して、愛犬たちとの絆がより深くなった気がします!」
犬への配慮と安全性、掃除のしやすさ。どれも欠かせないポイント!
リビングの奥にあるのが愛犬スペース。「犬も家族も、お互いの存在を感じながら過ごすことができます」
「リビングのソファは、抜群の座り心地ながら中型犬2頭が爪を立てて暴れても傷がつかないすぐれもの。愛犬スペースの壁はガジガジされても傷がつかない&掃除がしやすいキッチンパネルを、床材は汚れに強く足腰にやさしいタイル素材を使用しています。また、愛犬スペース全体を下げて段差をつけることで抜け毛がリビングに舞いこみにくくなる工夫も。犬と暮らすうえで、人が大変だと感じる要素を極力なくすようにしています」
愛犬グッズは可動式の棚にひとまとめ
収納の工夫
フードやトイレシーツなど、犬用品は小分けにしてスッキリ収納。「ニオイ問題が気になっていましたが、トイレの近くに設置した脱臭機のおかげで愛犬スペースに行くとふわっとにおっていたペット臭が消えました!」。
菌やウイルス抑制効果も
抜け毛や誤食などを防ぐ工夫が各所に
上吊り戸
家の中の引き戸はすべてレールなしの『上吊り戸』にすることで、抜け毛の掃除をしやすくしているそう。「キッチンの入り口には頑丈なペットゲートを設置して、食いしん坊な愛犬たちが誤食してしまう危険を回避!」
ペットゲート
人工芝の庭ドッグランで運動量を確保
屋根付きのタイルデッキも
リビングに面した広~い庭ドッグランには、屋根つきのタイルデッキも設置。「犬たちがドッグランで遊ぶ様子を見守りながら、家族やいぬ友達とバーベキューを楽しむなど、犬を介したコミュニケーションも増えました」
中型犬の多頭飼いを安心・快適にする住まいの工夫をご紹介しました。人と犬のゾーンを分けて、愛犬がくつろげる“犬専用スペース”をつくるなど、犬との幸せな暮らしを目指す参考になりそうですね。
参考/「いぬのきもち」2025年6月号『愛犬がずっと元気に暮らせる家』
写真提供/Hさん
文/ヨシノキヨミ