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病気やストレスが原因かも? 犬の「便秘症」を知っておこう

近年、犬がかかりやすい病気のひとつに数えられているのが「便秘症」です。原因は多岐にわたり、病気やストレスなどさまざまなので、原因によって治療法が異なります。

そこで今回は、愛犬が便秘症かどうかをチェックする方法や、原因・治療法などを獣医師の林幸太郎先生に伺いました。

犬の「便秘症」とは?

トイレシーツと犬
Irina Stolyarova/gettyimages
犬も人のように、便意があるのにうまくウンチが出せないなどの便秘になることがありますが、このような排便トラブルが続く状態を「便秘症」といいます。原因はさまざまで、病気が原因で腸管が狭くなったり、食生活やストレスが影響して腸の働きが弱くなったりすることで起こるケースが多いようです。

犬は、排便がスムーズにできないことを不快に感じ、元気がなくなったり機嫌が悪くなったりすることがあります。愛犬が便秘気味なことに気付いたら、動物病院で相談してみましょう。

愛犬が便秘症かどうかをチェックしよう

いきんでいる体勢の犬
Wavetop/gettyimages
便秘症には明確な定義がありません。一般的には、トイレに行って排便のスタイルをとる(便意がある)のにもかかわらず、いきんでもウンチが出ない状態や、3日間ウンチが出ない状態などのことを、便秘症と呼んでいます。また、病気が原因で腸管が狭まると、ウンチが細くなる、平たくなるなど形状に変化が出るケースも。

ちなみに、犬がいきんだときにウンチではなく、薄黄色の腸液が出ることがあります。これは、腸にとどまって硬くなったウンチは出てこず、腸液だけが出ている状態なので、こちらも便秘症の症状といっていいでしょう。

便秘症の原因と治療法

トイレシーツの上に座る犬
TatyanaGl/gettyimages

消化管やその周辺の病気

未去勢のオスによく見られるのが、会陰ヘルニアと前立腺肥大です。前者は直腸周囲の筋肉が薄くなって直腸が脱出する病気なので、脱出部分にウンチがたまると、いきんでも出てきません。後者は肥大した前立腺が直腸を圧迫するため、ウンチが出にくくなります。
ほかにも、腸内にポリープや腫瘍ができると、物理的にウンチが通過しにくい状態に。こちらは、ミニチュア・ダックスフンドやジャック・ラッセル・テリアなどに多く見られます。

病気が原因の場合は、浣腸や下剤で便秘を解消してから病気の治療に進みますが、多くの場合で外科手術が必要です。会陰ヘルニアの場合は、外科手術で対処したあと、再発を防ぐために去勢手術も行います。

水分不足・ストレス・痛み

水分や食物繊維の不足によって、腸の働きが低下して便秘症を引き起こすケースがあります。また、引っ越しや同居犬が増えるなど精神的にストレスを感じていたり、腰痛など体に痛みがあってウンチを我慢してしまったりしたときに、便秘症になることも。

上記が原因で便秘症になっている場合も、まずは浣腸や摘便、下剤などでたまったウンチを出し、そのあとで原因に応じて処方食やサプリメント、痛み止めなどで対処します。
甘く見てはいけない便秘症。愛犬が便秘症かもしれないと思ったら、食生活や生活環境を見直しつつ、早めに動物病院で診察を受けましょう。
お話を伺った先生/林幸太郎先生(京浜どうぶつ医療センター院長 博士(獣医学) JAHA認定医(内科・総合臨床) 動物臨床医学会獣医総合臨床認定医)
参考/「いぬのきもち」2023年10月号『愛犬といつまでも楽しく過ごすために知っておきたい! 犬の現代病ファイル Vol.53 便秘症』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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