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知っておきたい「犬の関節炎」 犬の健康にはよく動く関節が大切

犬の関節は、骨と筋肉と一体となって体を支える重要な役割を担っています。しかし「関節炎」を起こすと、関節の働きが低下してしまうことに。今回は、犬の関節の役割と関節炎を引き起こす病気について、獣医師の森淳和先生に教えていただきました。

そもそも犬の関節の役割って?

お手をするボーダーコリー
Kane Skennar/gettyimages
脊椎動物の骨格は骨・筋肉・関節の3つで構成されており、関節は骨と骨のつなぎ目の構造部のことをいいます。体を支える骨、体を動かす動力となる筋肉、そして可動性に不可欠な関節。それぞれが連携した動きをすることで、四肢を曲げたり伸ばしたりと複雑な動きができるのです。

また、関節部分にある軟骨はクッションの役割もあり、筋肉や骨の弾性とともに働き、激しい運動にも耐えられる構造になっています。

フセやオスワリなど日常の姿勢はもちろん、速く走る、高くジャンプするなど、犬の高い身体能力は“関節”に支えられているのです。

関節が傷むとどうなる?

運動をするゴールデン・レトリバー
Apple Tree House/gettyimages
関節がダメージを受けると、関節炎を発症して痛みや可動域の低下をまねきます。関節炎とは、骨と骨の接合部分である関節軟骨がさまざまな原因で摩耗・変形し、炎症を起こすこと。

関節炎の原因となる疾患を早期に発見し、適切な治療を行うことが大切です。

関節炎のリスクを高める主な原因
・遺伝的・先天性の要因
・ケガや脱臼
・足腰への過度な負担
・加齢
・肥満

関節炎を引き起こす病気とは?

顔を撫でられる犬
Chalabala/gettyimages
関節の炎症を引き起こす原因となる疾患にはさまざまなものがあります。今回は、注意すべき3つの病気をピックアップしました。

関節リウマチ
体に害のある物質や菌などが体内に侵入してきたときに、本来は体を守るはずの免疫が、誤って関節を異物としてみなしてしまう免疫機能の異常によって起こる関節疾患です。進行すると関節の変形が進み、歩行困難になることも。

前十字靭帯断裂
犬の太ももの骨とすねの骨をつないでいるひざの関節には、前/後十字靭帯と呼ばれる2本の靭帯があります。このうち頻繁に起こるのが、前十字靭帯の損傷。痛みをかばうように、足を上げて歩くなどの兆候が見られます。

変形性関節症
関節の軟骨の摩耗に伴い関節に炎症が起こり、周囲の組織にまでダメージを及ぼしながら関節が変形していく病気です。関節の形の変化や痛み、こわばりなどの症状が見られます。加齢と肥満により、より進行が重度になる傾向があるので注意してください。
犬にとって、関節炎は珍しい病気ではありません。関節の働きを低下させる原因を知り、あてはまる症状がある場合は、すぐに治療してあげてくださいね。
お話を伺った先生/森淳和先生(獣医師 動物病院ONE for Animals代表)
参考/「いぬのきもち」2022年10月号『骨と骨、健康な日々をつなぐから関節は大切!』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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