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犬の認知症はどのようなもの? 認知症になった犬にあらわれる症状も解説

犬が認知症になると生活にさまざまな影響が出るため、いざというとき飼い主さんがフォローできるよう、認知症について理解することが大切です。今回は、犬の認知症がどのようなもので、どんな症状があらわれるのかについて、獣医学博士の小澤真希子先生に伺いました。

犬の認知症とは

ベッドで眠る犬
Iuliia Antonova/gettyimages
犬の認知症とは、加齢により脳の機能が低下して生活に影響が出る状態のことで、夜鳴きや徘徊などの症状が出ることもあります。「高齢性認知機能不全」という病気が背景にあり、その名のとおり、高齢になるほど発症率が高まります。

オーストラリアの研究者による調査だと、14才過ぎの犬の40%に、認知症の症状が出るという報告もあります。愛犬がなったら最初は戸惑ってしまうかもしれませんが、認知症はどの犬でもなりうる病気です。認知症の犬がどう感じるかを知っておけば、愛犬に寄り添うことができ、幸せな老後にもしてあげられるはずです。

※犬の認知症(高齢性認知機能不全)は、その症状や状態が病気なのか老化によるものなのか、現段階ではまだはっきり解明されていない部分もあります。

認知症になるとあらわれる症状

上目づかいで見つめてくる犬
Ahna Meyer/gettyimages
認知症になると、物事を認識・記憶する能力が衰えたり、身体機能が低下したりすることで、以下のような症状があらわれるようになります。

飼い主さんの呼びかけに反応しなくなる

犬は認知症になると、呼び声が聞こえなかったり、物音への反応が鈍化したりします。散歩前や飼い主さんの帰宅時など、愛犬に呼びかけても反応がないときは認知症かもしれません。

このとき、何度も呼んだり、バタバタと急き立てたりすると愛犬が不安がるので、愛犬の目の前にまわって、わかりやすい言葉で丁寧に呼びかけるといいでしょう。

寝ている時間が増える

老化により睡眠時間が増えることもありますが、活動量が明らかに低下するほど寝る場合は、認知症の可能性があります。活動量の低下で二次的に慨日リズム(体内時計)が狂うこともありますが、できるだけ朝は日の光を浴びさせると、リズムを整えやすくなります。

食べこぼしが見つけられなくなる

認知症になると認知機能だけでなく、視覚や嗅覚、聴覚の機能も低下するため、食べている最中にこぼしたフードに気がつかないことがあります。とくに「以前は落としても自分で気づいて、一粒残らず食べていた」という場合は、認知症の可能性があります。ほかの症状が出ていないかチェックしましょう。

こんな体の症状が出ることも

舌を出して休む犬
Akchamczuk/gettyimages

食べているのにやせてくる

愛犬の食欲が今までと変わらず、かつ食べている量も以前と変わらないのに体重だけ減ってきてしまう場合は、認知症になっている可能性があります。ただし、ほかの病気が原因の場合も十分考えられるので、まずはかかりつけ医に相談し、状況をしっかり説明することが大切です。

うまく歩けなくなる

前述したように、認知症になると認知機能だけでなく、目や耳、足などの身体機能も低下するため、歩くときにふらついたり、途中でたおれたり、自分で立てなくなったりする場合があります。

ただ、愛犬が歩きたがるうちは、転んでも危なくない芝生の上を歩かせる、補助ハーネスを使うなど、安全に配慮して歩かせてあげましょう。
今回紹介した症状は一例であり、認知症の症状の出方は、犬によっても異なります。認知症にいち早く気づくだけでなく、認知症になっているかどうかを判断するためにも、日ごろから愛犬の様子をよく観察することが大切です。
お話を伺った先生/小澤真希子先生(獣医学博士 獣医行動診療科認定医)
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『シニア犬の半数近くが発症する!? 理由がわかれば「夜鳴き」「徘徊」「そそう」も正しくフォローできる! 認知症の犬はどう感じてる?』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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