犬と暮らす
UP DATE
右前足がない愛犬めろーくん、元気に走り回るが骨折により左前足も使えない状況に
今回ご紹介するのは、生まれつき右前足がなくても元気いっぱいに走り回り、毎日を楽しく過ごすめろーくんのお話です。
3本足でも元気に走り回る、スーパータフなめろーくん
Iさんがめろーくんと出会ったのは、2022年3月のこと。ボーダー・コリーのブリーダーさんのところで子犬が3頭生まれ、そのうちの1頭に足の障害があることから、飼い主さんを募集していたそうです。
「私の友人が障害のあるめろーを譲渡してもらう予定で、ブリーダーさんのもとにいっしょに行ったんです。それが、友人の事情で迎えるのが難しくなり、『それなら私が!』という成り行きになったんです」と話すIさん。片方が青い瞳のオッドアイ(左右で目の色が異なること)のめろーくんのかわいさにも心を奪われたそう。
「わが家では歴代7頭の小型犬を育ててきて、活動的な中型犬は初めてでしたが、『なんとかなる』と思っていました。でも、それが甘い考えだったとあとになってわかりました(笑)」
ボーダー・コリーは活発で、とにかく充分な運動量が必要。めろーくんは、そんな資質に磨きをかけた驚異的なスタミナの持ち主だったのです。
オンとオフの切り替えができるようトレーニング
「これを早めにやっておいて本当によかったです。その後、手術をして安静が必要なときなども助かりました」
じつはめろーくんの右前足には、もともと内側に折れ曲がった小さな足がついていました。足の甲にあたる部分を地面につけて歩いていたため、炎症の原因にもなることから、かかりつけ医の先生に切除手術をすすめられていました。
「めろーが生後6カ月のときに肩関節から切除する手術を受けました。そのときは痛みもあったのか、めろーは1週間はクレート内でおとなしく過ごしてくれてひと安心でした。術後の傷も順調に回復して、すぐに元気になりました」
その後、また元気に走り回れるようになっためろーくん。しかしながら、このあとIさんとめろーくんにはさらなる試練が待ち受けていたのです。
骨折によって、両前足が使えなくなった
かかりつけ医では、「ボルトを固定する手術は、前足が1本のめろーくんには加重がかかりすぎてリスクが大きい」とのこと。そのためテーピングで足先を固定して足を極力使わせない方法しかなく、全治まで約3カ月かかると告げられました。
「エネルギーがあり余っているめろーを3カ月間安静にさせるなんて無理!と、そのときは絶望的な気持ちになりました。でも、ドッグトレーナーさんのアドバイスにより、まずは車椅子を作ってみたんです」とIさんは当時の苦労を話します。
取材協力/クローバー動物病院
写真/犬丸美恵
写真提供/Iさん
取材・文/袴 もな
※掲載の情報は「いぬのきもち」2023年11月号発売時のものです。
UP DATE