犬のしつけをするときは否定的な言葉を使わず、わかりやすく「ひと言」で伝えてみるとよいでしょう。
今回は、愛犬にソファにのぼらないでほしいときや、リードを引っ張らないでほしいときを例に挙げ、家庭犬しつけインストラクターの戸田美由紀先生に、「ひと言」で伝えるしつけのコツやポイントを教えてもらいました。
「ひと言」でしつけることがいい理由
犬は飼い主さんの言うことを理解したくて一生懸命聞いていますが、複雑な言葉は理解できません。しかし、「ひと言」なら理解しやすく、すべきことが伝わるでしょう。
要点を押さえた言葉選びが大事
しつけにおける要点とは“犬に何をしてほしいか”ということ。「ダメ」と言って行動を抑制するより、してほしいことを「ひと言」で伝える方が犬は理解しやすいのです。ネガティブな言葉ではなく、ポジティブな声かけが増えることで、愛犬のやる気があがって関係性の向上にもつながるでしょう。
ソファにのぼらないでほしいときの「ひと言」しつけ
愛犬がソファにのぼろうとしたときは、「オリテ」と言って床に降りることを指示しましょう。
この声かけを繰り返すうちに、犬は「ここはのぼれない場所」と覚えます。ソファを買い替える予定がある場合は、愛犬にのぼりグセがつかないよう、古いソファでしっかり練習しておいたほうがベターです。
すでにのぼる習慣がある場合は物理的な対策も!
愛犬にソファにのぼる習慣がついている場合は、飼い主さんが座らないときにソファをフェンスで囲ったり、座面をふさいだりしましょう。物理的に登れない状況をつくる対策が効果的です。
リードを引っ張るときの「ひと言」しつけ
愛犬にリードを引っ張り続けさせるのは、思わぬ事故に巻き込まれる危険も。
愛犬がリードを引っ張ってきたら、飼い主さんはリードの持ち手を握りこみ、愛犬を興奮させない程度の抑えた声で「トマッテ」と言って立ち止まりましょう。これを繰り返すうちに、「引っ張ると前に進めない」ということが伝わります。
引っ張ったらすぐにターンする手も
愛犬がリードを引っ張るたびに、引っ張る方向と反対向きにターンして進んでもOKです。「引っ張ると思う方向に進めない」ことが伝わって、引っ張り防止に役立つでしょう。
愛犬が指示を聞いてくれないとつい感情的な言葉をかけてしまいがちですが、言葉は愛犬をより興奮させるので逆効果。「短く」「否定的な言葉を使わない」「してほしいことを伝える」この3点を意識して、しつけに取り組んでみてくださいね!
お話を伺った先生/戸田美由紀先生(日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター DOG IN TOTAL主宰)
参考/「いぬのきもち」2022年9月号『いつものネガティブワードを言い換えるだけ! 伝わる! ひと言しつけ』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。