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進行の早い犬のがん「メラノーマ」 早期発見のためにすべきこととは

愛犬の体にしこりやほくろのようなものができている場合、がんの一種である「メラノーマ」の可能性が疑われます。今回は、メラノーマの特徴や治療法、早期発見のために日ごろからすべきことなどを、レオどうぶつ病院院長の堀川歴央先生に伺いました。

メラノーマはどんな病気?

笑顔で見つめるウェルシュ・コーギー・ペンブローク
Ирина Мещерякова/gettyimages
メラノーマは、悪性黒色腫とも呼ばれる悪性腫瘍(がん)で、人にもある病気です。犬の場合は、おもに口、皮膚、目に発生します。発生した場所によって、ほかの臓器へ転移しやすいなどの悪性度に違いが見られ、とくに口の中や爪の根元にできると悪性度が高いといわれています。一方、良性メラノーマもあって、その場合は手術で腫瘍を切除すれば完治します。

病気の原因は不明ですが、好発犬種があることから遺伝的な要因が考えられます。進行が早く、治療せずに放置すると数カ月で死に至ることもあるほどですが、獣医療は日々進歩しており、早期に治療できれば完治することもあります。

メラノーマの症状

悪性の場合は、口や皮膚、目にできたしこりが急激に大きくなり、表面が崩れてくることが特徴です。ある程度大きくなると、でこぼこした表面から血がにじみ、その血がなかなか止まらないことも。悪性黒色腫とも呼ばれることから、しこりは黒色だと思われがちですが、必ずしもそうではないため注意が必要です。

一方、良性の場合はしこりがゆっくりと大きくなり、表面がつるりとして出血もないことが多いですが、正確な診断には検査が必須です。しこりを見つけたら、早めに動物病院を受診しましょう。

メラノーマの診断・治療方法とは

ラグの上に伏せるゴールデン・レトリーバー
VYCHEGZHANINA/gettyimages

メラノーマの診断方法

メラノーマかどうかは、しこりの中の腫瘍細胞を確認する細胞診をはじめ、腫瘍の存在部位や転移をチェックする画像診断、腫瘍の確定診断や悪性度を判定する病理組織検査などで総合的に診断します。

メラノーマの治療方法

メラノーマとわかれば、おもに外科手術、放射線治療、抗がん剤治療から状態に合わせて選択します。切除できるなら手術が効果的ですが、手術できなくても、放射線治療でがんの増殖を抑えられるケースもあります。ただ、治療後に再発や転移することも多いので、術後に抗がん剤治療を併用するのが一般的です。

メラノーマの早期発見・治療のために飼い主さんができること

ひざの上でなでられる犬
Evrymmnt/gettyimages

早期発見のためにできることは?

口の中のしこりは気づきにくいうえ、メラノーマであれば、リンパ節や肺への転移率も高くやっかいです。メラノーマを初期に発見するには、飼い主さん自身で愛犬のデンタルケアをすることが一番。日々の歯みがきなどで、小さいしこりにも気づきやすくなります。また、ふだんから愛犬の体に触れておき、小さな変化に気づけるようにしましょう。

早期治療のためにできることは?

メラノーマは、いかに早く治療を始められるかが余命などにかかわります。かかりつけ医にメラノーマの可能性を指摘された段階で、大学病院など2次診療施設をはじめ、腫瘍の専門知識をもつ獣医師がいる動物病院への受診についても相談してみましょう。

愛犬の状態に適したさまざまな治療を検討するためにも、できるだけ早く腫瘍の専門知識をもつ獣医師に相談することをおすすめします。
メラノーマの進行や転移を抑えためには、早期発見・早期治療をすることが重要です。愛犬の体の変化にいち早く気づくためにも、ふだんからスキンシップやデンタルケアをしっかり行いましょう。
お話を伺った先生/堀川歴央先生(レオどうぶつ病院院長 日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医Ⅱ種)
参考/「いぬのきもち」2020年8月号『愛犬といつまでも楽しく過ごすために知っておきたい! 犬の現代病ファイル Vol.15 メラノーマ』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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