近年、見かける機会が増えたミックス犬。今回は、ミックス犬の平均寿命や純血種との違い、遺伝性疾患や長生きの秘訣を解説します。ミックス犬の種類や健康面に関する飼い主さんのアンケート結果もあわせてご紹介します!
ミックス犬の平均寿命は?純血種との違いってあるの?
ミックス犬の平均寿命とは
ミックス犬の平均寿命は、一般的に「13才前後」と考えられています。また、一般社団法人「ペットフード協会」が実施した「平成27年全国犬猫飼育実態調査」によると、犬全体の平均寿命は「14.85才」というデータがあり、なかでも超小型犬の平均寿命は「15.67」才と比較的長い傾向にあります。一方、小型犬の平均寿命は「14.62才」で、中・大型犬の平均寿命は「14.02才」とされています。
ミックス犬と純血種の最高齢
ミックス犬の最高齢として登録されているのは、「26才8ヵ月」で亡くなった栃木県の「プースケ」です。純血種では、29年と193日間生きたラブラドール・レトリーバーが最高齢となっていて、ほかにも29年と160日生きたオーストラリアン・キャトル・ドッグや、28年と320日生きたテリアが登録されています。
ミックス犬は遺伝性疾患に注意
ミックス犬は遺伝性の病気にかかりやすい?
犬には本来チワワなら「水頭症」、トイ・プードルなら「膝蓋骨脱臼」「僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)」など犬種によってかかりやすい病気があります。ミックス犬はこれらの遺伝性の疾患を親犬から複数受け継いでしまうおそれがあり、その結果寿命が平均よりも短くなったというケースも報告されています。
親犬の遺伝子によっては長生きできる場合も
さまざまな犬種を親にもつミックス犬は、遺伝的な病気を受け継いで短命になることもありますし、親犬の遺伝子によっては、反対に長生きできる確率が高くなることもあります。ミックス犬の寿命と遺伝性疾患の関係については一概に言えない部分もありますが、親犬を参考にすることである程度の寿命を把握することはできるのかもしれません。
運動や歯磨きでミックス犬の病気を予防しよう
純血種に比べると、遺伝性疾患にかかりやすいといわれるミックス犬。日ごろから飼い主さんが病気の予防を心がけることが大切です。
適度な運動が大切
ミックス犬の健康と長生きのために欠かせないのが、毎日の適度な散歩です。年齢や体の大きさによっても異なりますが、小型犬は30分程度、大型犬であれば1時間程度を目安とするのがよいでしょう。
チョコレートや玉ねぎなどの犬にとって危険な食べ物を与えない
基本的に犬にはチョコレートや玉ねぎなどの食べ物を与えてはいけないといわれていますが、これはミックス犬も同じです。特に愛犬の手の届くところに置いてしまいがちなチョコレートなどのお菓子は、絶対に愛犬が届かない場所に保管することを心がけ、誤飲・誤食を防ぎましょう。
歯磨きをきちんと行う
愛犬の口腔ケアに努め歯周病を予防することもまた、寿命を延ばすためには必要です。「歯周病」は食べかすなどからできた歯垢や歯石内の細菌が増殖し、歯ぐきの腫れや歯の根元の炎症、歯ぐきからの出血や口臭が見られ、症状が進行すると内臓の病気に発展することもあります。
健康寿命を脅かす歯周病から愛犬を守るためには、毎日歯磨きを行い、歯周病の原因となる歯垢を除去することが大切です。また歯磨きが苦手な愛犬に対しては、獣医師が推奨する歯磨き効果のあるガムを補助的に与えるのもおすすめです。
ミックス犬について「いぬのきもち」ユーザーに聞きました!
ここでは、「いぬのきもちアプリ」ユーザー341名に聞いた、ミックス犬についてのアンケート結果を一部抜粋してご紹介します。※2018年5月~6月調査実施。
ミックス犬を飼っていますか?その種類は?
ミックス犬の飼育者向けにアンケート調査を行ったところ、318名の方が何かしらのミックス犬を飼っていると回答しました。種類の内訳を見ると一番多いのは「その他」を除くと「マルチーズ×プードル」で、58名の方が飼っていると回答。そのあと「チワワ×ダックスフンド」を飼っている方が25名、「チワワ×プードル」が22名と続いています。
ミックス犬の健康面について聞いてみました!
ミックス犬を飼っている飼い主さんに愛犬の健康状態に関する体験談を募集した結果、以下のような意見が寄せられました。すべての個体に当てはまるわけではありませんので、一つの参考としてとらえてみてください。
「マルチーズ×プードル」の健康面について
「マルチーズ×プードル」に関しては、体が丈夫という意見や病気知らずという意見が多く寄せられている一方で、耳や関節に心配があるという意見もありました。
【飼い主さんのコメント】
・偏食でなんでも食べてくれるわけではないため、たまに吐いてしまうことがあります。
・純血種より丈夫な気がする。病気知らずです。
・食欲はあり好き嫌いがないので助かっています。
・ミックスだからとかではないと思いますが、耳と関節に関する心配ごとが多いです。
・先住犬の柴犬と比べてですが、持病が全くないのが助かっています。
・心臓が悪いので、1才前から薬で様子をみています。
・大きな病気もせず、元気です。
・獣医さんに診てもらったところ、体が丈夫だと言われました!
「チワワ×プードル」の健康面について
続いては「チワワ×プードル」の健康面についての体験談です。こちらの種類については、健康的だという意見も寄せられるなか、食べムラがあったり、食が細かったりといった意見も目立ちました。
【飼い主さんのコメント】
・食べムラがあるので、しっかり食べさせるための工夫が大変です。
・困っていることは、ご飯の好き嫌いが激しく食も細いことです。健康だったらいいかなと思っています。
・健康面にはまったく問題ありません。
・チワワの大きさでプードルの骨格なので体は頑丈です。
「ダックスフンド×プードル」の健康面について
最後は「ダックスフンド×プードル」です。全体的に体が丈夫という意見が多く、なかには病気や怪我をしたことがないという意見もありました。
【飼い主さんのコメント】
・プードルより足が短くダックスより胴が短いため、それぞれの負担が少ない。
・丈夫だからこそ体力がすごくあって、小型犬なのに散歩の時間や遊ぶ時間が長い。
・体は丈夫な気がする。
・肌が弱いのか、できものができることがあります。
・頭も良く体も丈夫で、メスだからかもしれないが病気や怪我もしたことがない。
純血種と同様に最期まで愛情をもって育てよう
フードの見直しや飼育環境の改善によって、犬の平均寿命は昔よりも延びてきています。純血種に比べて遺伝性疾患にかかりやすいといわれることもあるミックス犬ですが、飼い方に気を付けることで、健康寿命を延ばしてあげることは十分可能でしょう。
大切なのは、純血種だから、ミックス犬だから、というくくりにこだわりすぎないことです。平均寿命は一つの目安として考え、食事や運動、歯磨きなどで愛犬の健康に気を遣ってあげながら、最期まで愛情をもって育ててあげましょう。
参考/「いぬのきもち」特別編集『犬との暮らし大事典』(監修:「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『犬の病気・症状データベース(歯周病)』
監修/いぬのきもち相談室獣医師
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。