犬はストレスを感じると、しぐさでそれをあらわします。愛犬の様子をよく観察することで、過度のストレスの緩和や、ストレス病の予防・発見に役立つでしょう。今回は、「ふれあい不足」と「留守番」によるストレスが関係する、犬の4つのしぐさを解説します。
常に飼い主さんについて回る
犬は留守番中の地震などの恐怖体験により、強いトラウマが植え付けられ「不安症」に陥ることがあります。症状としてよく見られるのが、過去のストレス体験と条件が一致すると過剰に怖がって吠える、噛む、そそうをするなどのしぐさです。
実は、一見かわいい飼い主さんに常について回るという行動も、この不安症のひとつ「分離不安」によって起きるしぐさ。飼い主さんと離れることに強い不安を感じるため、留守番中に飲み食いをしない、ものを壊すといった行動をする犬もいます。
体をかく・なめる
毎日の留守番などによるストレスから、「皮膚炎」や「脱毛症」といった皮膚の病気が起きることも。その結果、しきりに体をかいたり、なめたりするしぐさが見られます。また、「常同症」という心の病気でも、このしぐさをすることがあります。これは、ふれあい不足などのストレスを解消するために、同じ行動を何度も繰り返してしまう病気です。足先など決まった部位をかき続ける・なめ続けるほか、自分のしっぽを追う・噛む、同じ場所をウロウロするといったしぐさを見せることもあるようです。
うずくまる
うずくまったり、飼い主さんがおなかを触るのを嫌がったりといったしぐさは、腹部の痛みを感じているときにするものです。日々の留守番などによるストレスで、「胃潰瘍」を発症しているかもしれません。この病気になると、吐血や食欲がなくなるといった症状もあらわれます。
どんなに与えてもゴハンを欲しがる
ふれあい不足などによるストレスが続くと、食欲が増進して異常に食べたがり、「肥満症」に陥ることがあります。一日中飼い主さんの顔を見るたびに食べ物を欲しがる、いくら食べても満足しないといったしぐさが見られたら注意しましょう。遊びや散歩といった、食べる以外の楽しみが少ない犬に起きやすい状態です。
愛犬が上記のようなしぐさをしていたら、留守番やふれあい不足によるストレスがたまっていないか、生活を見直してみましょう。留守番前に散歩や遊びで疲れさせる、短時間の留守番から徐々に慣れさせる、忙しくても毎日スキンシップを心がけるといった対策も有効です。愛犬の心と体を健やかに保つために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/「いぬのきもち」『ベテラン飼い主さんも意外と知らない 愛犬のストレス事典』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/nekonote
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。