犬のリンパはさまざまな理由から腫れてしまうことがあります。そのため、日ごろから飼い主さんが意識してリンパを触る習慣をつけておくと、病気の早期発見に繋がるなど健康管理に役立ちます。今回は、犬のリンパマッサージ方法をご紹介します。
犬のリンパとは?
リンパとは、「リンパ管」「リンパ液」「リンパ節」の総称です。リンパ管は、全身に網のように張り巡らされていて、その管の中に流れているのがリンパ液です。リンパ節はリンパ液の中継基地のような場所で、ここで老廃物や疲労物質をろ過すると同時に、免疫抗体を作り出し、細菌やウイルスなどを撃退する重要な役割があります。犬の主なリンパ節は、上のイラストの通りです。
リンパマッサージのポイント
- リンパはわずかな振動でも流れるので、やさしくそっと触るだけでOK
- 愛犬が寝ているときや興奮しているとき、体調がよくないときなどはマッサージはしない
- 愛犬が嫌がるときは中止する
- 飼い主さんもリラックスするのが大切
マッサージを始める前に
左側の肩甲骨の前縁部がリンパの最終出口なので、マッサージを始める前に、その周辺をマッサージしましょう。やさしくさするような感覚で、10回程度を目安に行い、出口を開いておくと◎
腋窩(えきか)リンパ節
両わきのくぼみにあるので、画像のように片手をあごに添え、もう片方の手をわきの下に添えるように当てます。そのまま10~20回程度、もむようにマッサージをしてください。
頸部(けいぶ)リンパ節
下あごのつけ根部分を、後ろから両手で下から上に持ち上げるような感覚で、やさしくさすりましょう。このマッサージも10~20回を目安に行います。
膝窩(しっか)リンパ節
まずは、ひざの関節の上下を両手でつかみ、10~20回もむようにマッサージします。
続いて上の画像のように、ひざの関節の上を押さえ、後ろ足の筋を親指で押すように10~20回マッサージしてください。
鼠径(そけい)リンパ節
上の画像を参考に、片手を猫の手のように指をそろえて曲げた状態にします。
もものつけ根の内側に沿って当て、軽く押します。仰向けになるのが苦手な犬の場合は、立たせたままでもOK。両足10~20回ずつ行いましょう。
今回は、4つのリンパマッサージ方法をご紹介しました。リンパ節がいつもより腫れているなど異変を感じたら、すぐに獣医師に相談することが大切です。ぜひ参考にしてみてくださいね!
参考/「いぬのきもち」2017年2月号別冊『犬だって、お疲れです… 愛犬にしてあげたいツボ・マッサージ』(監修:かまくらげんき動物病院院長 日本ペットマッサージ協会理事長 日本メディカルアロマテラピー動物臨床獣医部会理事長 石野孝先生、かまくらげんき動物病院副院長 日本ペットマッサージ協会理事 日本ペット中医学研究会学術委員 相澤まな先生)
イラスト/田代耕一
撮影/SOULWORK
文/hasebe