複数の犬が仲睦まじく暮らす姿に、あこがれを持っている飼い主さんもいるのではないでしょうか。しかし多頭飼いは必ずしもうまくいくとは限りません。
「多頭飼いしたいけれど我が家は大丈夫かな?」と心配な飼い主さん向けに、多頭飼いの注意点や失敗談、事前に準備しておきたいことをまとめました。
「多頭飼いで失敗した……」と感じたエピソード
ここでは多頭飼いで失敗したと感じた飼い主さんの、ありがちなエピソードを紹介していきます。
まるで敵のようにいがみあい……
2頭目の犬が先住犬と同性で年齢も近く、序列争いのケンカが頻発してしまったというケース。大型犬なので、興奮すると制御するのも一苦労とのこと。お互いケージから出せず、散歩も別々に行かなくてはならないため大変だそうです。
互いを無視して全然関わり合おうとしない……
犬同士の仲睦まじい姿にあこがれ、ほぼ衝動的に新しい犬を迎え入れた飼い主さん。ところが現実は思い描いていたものとは異なり、先住犬も新しい犬も互いに無視状態でした。威嚇し合うほどではないものの、まったく仲良くならない2頭を見て「こんなはずではなかったのに……」と思ってしまったそう。
家計に負担がかかる……
犬を飼うにはお金がかかります。毎日のフードや、ケージ、トイレ、リードなど、そろえなくてはいけないものがたくさん。「思ったよりお金がかかって大変だった……」という声も聞こえます。
多頭飼いに必要なことは?
これらの事例はいずれも飼い主さんの認識不足が原因といえます。「犬同士だから仲良くできるだろう」「何とかなるだろう」などと安易に多頭飼いを始めては、理想と現実のギャップに後悔してしまうことも。
では多頭飼いを成功させるには、どのようなポイントが重要なのでしょうか?それは飼い主さんと愛犬のどちらにも「余裕」があることです。飼い主さん側の「時間的・金銭的・精神的な余裕」に加え、愛犬側にもさまざまな準備ができていることが欠かせません。
楽しい多頭飼い生活のためにはどのような「余裕」が必要なのか、次のチェック項目で詳しく見ていきましょう!
我が家は多頭飼いできる?チェック項目で確認
飼い主さんのポイント
- しつけや散歩など、個々の犬と向き合う時間がつくれるか
- 1頭につき1つのケージなど、個別の空間を用意できるか
- 費用面で心配がないか
- 特定の犬をひいきしないか
愛犬のポイント
- トイレトレーニングができているか
- 無駄吠えや噛みグセなど、問題行動がないか
- 他の犬に吠えかかるなど、攻撃的でないか
- 他の犬に怯えるなど、接触を嫌がっていないか
いざ多頭飼いを決めたなら、準備しておきたいこと
去勢・避妊をしておこう
出産を考えていないのであれば、事前に去勢・避妊を済ませておくといいでしょう。去勢していない犬はホルモンの分泌量が多く、同性に対して攻撃的になることも。
ケージなどの環境を整えよう
ケージやトイレは共有して使うことを嫌がる犬もいるため、1頭につき1つを用意しましょう。最初はあまりくっつけず、離れた位置に置くのがポイントです。
顔合わせをしよう
できれば先住犬と新しい犬を事前に会わせ、相性を見ておくのがおすすめです。何度か顔合わせをすることで犬同士を「知り合い」レベルにしておくと、家に来たときのストレスが少なくなるでしょう。
安易に始めると失敗することもある多頭飼いは、飼い主さん側にも愛犬側にも、事前の準備が欠かせません。難しいことも多いですが、うまくいけば犬との暮らしがさらに楽しくなるでしょう。多頭飼いのポイントを押さえて、幸せなペットライフを送ってください!
参考/「いぬのきもち」2017年12月号『多頭飼いで幸せになる人・不幸せになる人』(監修:スタディ・ドッグ・スクール代表 鹿野正顕先生、ジャパンケネルクラブ、日本警察犬協会および日本動物協会認定インストラクター 戸田美由紀先生)
文/松本マユ
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。