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人間もつらい逆さまつげ、犬にも起こる?対策と注意点は?【動物看護師が徹底解説!】

人間もつらい逆さまつげ、犬にも起こる?対策と注意点は?

あなたは愛犬のまつげをじっと観察したことはありますか?
よく見ると人間と同じように、目の周りにびっしりと生えそろっていて、中には頬に届くくらいまで長く伸びるような犬種もいます。
長いまつげの犬、短いまつげの犬、様々ですが、人間のように逆さまつげに悩む犬も中には存在します。
涙がよく出ていたり、目を掻いていたり、いつも目をしぱしぱ細めていたり、その仕草は実は目が傷ついているときのサインかもしれません。
逆さまつげとは一体何で、どうやって治療すればよいのでしょうか。

逆さまつげとは?

まつげは専門用語で”睫毛(しょうもう)”と呼び、外界からの異物侵入を防ぐために生えています。
まつげが何らかの刺激をキャッチすると目を閉じるという反射が起こることにより、角膜を保護します。
本来は外側に向かって生えているものが、内側、角膜に向かって生えてしまっているものを”逆さまつげ”と呼び、逆さまつげが角膜を傷つけると、目が開けられないほどの痛みを感じるようになります。
常日頃からそのような状態であると、生活に支障が出ることになり、傷から細菌感染をしたり、潰瘍になる可能性もあるため、早期の治療が必要になります。

逆さまつげの原因は

逆さまつげの原因はいくつかに分かれています。
先天的に内側に生えるような形に毛根が作られてしまっていたり、眼瞼が内反、内側へめくれることにより、まつげの生える方向が変わってしまっていたり、まつげのうち数本が他とは違う場所から生えたりすること等が原因になります。

人間の場合手術をすることが主流ですが、犬の場合、数本程度が逆さまつげになっているのであれば、生えてくるごとにピンセットで抜くなどして角膜を保護します。
それでも角膜を保護できない場合や、生活に支障がでる場合は手術になることもあります。
眼瞼が内反している個体はそれを外側に向けるような手術をし、まつげが本来と違う場所に生えてしまっているのであれば、レーザー治療などの選択肢も存在します。
目の周りの手術は顔の印象を変えることもあるため、手術に踏み切るまではメリットやデメリットをよく説明してもらった上で判断するのが良いでしょう。

どうしても手術したくない場合は?

まつげをピンセットで定期的に抜き取り、点眼を毎日数回継続することができれば、手術をしなくても逆さまつげとうまく付き合うことができるでしょう。
しかし、通院は週に1度程度、点眼は必ず毎日続け、傷が付いたような様子があれば完治まできちんとエリザベスカラーをする、など飼い主さんの根気のいる自宅管理が必須になります。
これが出来ないのであれば、顔の印象を変えることや、デメリットを我慢してでも手術をしなくてはならなくなることもあります。

一度ひどい角膜潰瘍になってしまうと穴が開いたまま治らなくなってしまったり、細菌感染で視力を失ったり色素沈着が取れなくなることもありますので、治療をせずに逆さまつげと付き合うことはできません。
ピンセットで抜き取る治療を続けると毛根が弱まり、生えにくくなる場合もありますが、暴れてしまったり、噛むような犬は点眼をすることは難しいですし、継続ができない飽きっぽい性格の飼い主さんだと結局は潰瘍や感染を繰り返し、愛犬を失明に導き兼ねません。
愛犬の性格と自分の性格をよくよく加味して、どの治療法が一番合っているのかを判断するとよいでしょう。



文/動物看護士 木本 由季
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