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避妊・去勢手術をしたらフードも変えた方が良いの?【動物看護師が解説】

避妊・去勢手術をしたらフードも変えた方が良いの?【動物看護師が解説】

生後半年頃になると、犬も猫も避妊・去勢手術を勧められることでしょう。ホルモン由来の病気を防ぐなどメリットもありますが、太る・可哀想などデメリットと呼べる部分も存在します。
なぜ避妊・去勢後は太ると言われるのでしょうか?また、避妊去勢済みの犬猫用フードが存在しますが、そのフードに変える必要はあるのでしょうか?

命を繋ぐのは生き物の本能

避妊・去勢手術で摘出する生殖器は、本来命を繋ぐために機能している場所です。良質な種を残すため、または命を育むための場所をより良くする為、常に働き続けているのです。生殖器の機能を保つためのエネルギーは相当なものなので、これがなくなってしまうと摂取カロリーと消費カロリーのバランスが合わなくなることから、カロリーオーバーで太りやすくなってしまいます。

成長が緩やかになっていく時期である

避妊・去勢手術の適齢期は生後半年から一年程度です。もちろんその後も手術をすることができますが、適齢期に行うよりもリスクが増し、メリットと言える部分も少なくなってきてしまいます。その為、手術をするのであれば早めが良いでしょう。

子犬や子猫のうちはたった1週間でも目まぐるしい成長が見受けられるので、この時が1番エネルギーを必要とする時期と言えます。しかし、生後一年に近づくにつれて、体の成長も緩やかになり消費するカロリーも落ち着いてきます。そんな時期に生殖器の摘出手術をすることで、消費するカロリーが少なくなり、更に成長が緩やかになるため、子犬や子猫の時に食べていたような高栄養のフードではエネルギーを使いきれずに結果的に太ってしまう、というケースがよくあります。

フードの切り替えが難しい

パピーフードやキトンフードのように、子犬・子猫用といっても、どれくらいの月齢でどれくらいの体格・どれくらいの成長度合いであれば、成犬・成猫用のフードに変えればいいのかわかりませんよね。避妊・去勢手術はフードの切り替えどきの目安でもあるのです。

現実には、2〜3才になってもパピーフード・キトンフードを与えている飼い主さんもいらっしゃいます。しかし、本来であれば1歳近くなった時に大人用のフードに変えることが望ましいと言えます。避妊・去勢手術の機会に、フードに関して獣医師などに相談してみると良いですね

結論、フードは見直すべき

避妊・去勢手術をしたのであれば、消費カロリーが落ち着いてくる時期でもあるので、フードの見直しを行いましょう。出産を望む場合は手術をしませんが、それでも成長が緩やかになる時期であるので、フードは成長度合いに見合ったものに変えていきましょう。

ドラッグストアやホームセンターなどで売っているような市販のフードでももちろん構いませんが、きちんとカロリー計算ができて、体重に合わせて食事をコントロールするには、療法食がラクですよ。また、避妊去勢済用のフードもあり、これも生殖器を抜きにした消費カロリーを考えて作られているので、表示通りにあげていれば突然ぶくぶくと太っていってしまうこともないでしょう。ただし、表示通りにカロリーが消費されるわけではないので太ってきたかな?と思ったら、もう一度食事量を考え直してくださいね。

よく運動する、寝てばかり、散歩は行かないなど個体により消費カロリーはバラバラです。その子に見合った食事量を与え、太らせないように細心の注意を払いましょう。もし自分で判断できなければ、獣医師や看護師に相談をして指示を仰ぐのも良いかもしれませんよ。


文/動物看護士 木本 由季
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