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カタツムリで愛犬が死ぬ!? 散歩中に出会う犬にとって危険な生き物
もしかしたら、愛犬が口にしたものに寄生虫がついている可能性も。今回は、犬が気をつけたい寄生虫について、いぬのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみました。
犬が気をつけたい寄生虫
「犬の寄生虫病はたくさんあります。市販されている駆虫薬も、さまざまなタイプのものが売られています。
寄生虫に感染しないためには、駆虫薬を使うことはもちろんのこと、ふだんから感染源に接触しないことが大切です」
「野ネズミ、カエル、ヘビ、カタツムリ、ナメクジにはとくに注意してください。これらは犬のふだんの散歩コースに生存しており、たびたび遭遇することもあるのです」
寄生虫は犬にとってどのように危険なの?
「寄生虫は発育するとき、幼生期、性成熟期で『宿主(寄生虫に寄生される生物)』を別にすることが少なくありません。
寄生虫の幼生期の宿主を『中間宿主』といい、この中間宿主が、犬にとって問題になることがあるのです」
「寄生虫の例として、ここでは『エキノコックス』『広東住血線虫』『マンソン裂頭条虫』を取り上げます。
この3つの幼生期の中間宿主はそれぞれ……
- エキノコックス→『野ネズミ』
- 広東住血線虫→『カタツムリ、なめくじ』
- マンソン裂頭条虫→『カエル、ヘビ』
です。これらの寄生虫病は、中間宿主自体、またはその分泌物に潜んでいる幼虫が、犬の口から入って感染します。幼虫が犬の体に入ると、神経や血管に入り込み、臓器に到達し炎症を起こします」
寄生虫が原因で死に至ることも
「カタツムリの中に潜む広東住血線虫の幼虫は、神経を通って脳に達し脳炎を引き起こし、重症化した場合は死に至らせることもあるのです」
「多くの場合、寄生虫は宿主に入ると消化管に入り、栄養を横取りして生息し続けます。そのため、下痢などの症状を起こしますが、死に至ることはそんなに多くありません。
しかし、幼虫が寄生した中間宿主を摂取すると、幼虫は腸管ではなく、脳や筋肉などに移行して重症化させる場合があるので危険なのです」
犬が寄生虫に接触しないようにするには
「犬が寄生虫を摂取するのを防ぐためには、これらに近づかないことしかありません。
すべてのカタツムリや野ネズミが幼虫を持っているわけではありませんが、可能性がある限り気をつけなければなりません。正しい知識を持って、愛犬を寄生虫から守りましょう」
好奇心旺盛な犬は、誤ってカエルやナメクジなどを食べてしまうこともあるようです。飼い主さんはよく注意してあげてくださいね。
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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