愛犬のしつけに関する悩みで多く寄せられる相談は、「家族の中に甘やかしてしまう人がいて困る」というもの。多いのはお父さんやおじいちゃんで、いくらほかの人がしつけを頑張っても、陰で甘やかしてしまうケースが……。
今回はそんなよくある相談について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
Q.お父さんが愛犬を甘やかす…どうしたらいい!?
獣医師:犬のしつけは、必ず家族で統一して行うことが大切です。犬が人間社会の一員として気持ちよく暮らしていくためには、きちんとルールを教えなければなりません。家族の中の誰かが甘やかしたり、違う行動をすると、犬は混乱して理不尽に感じてしまいます。
かわいいしぐさをされると、かわいがりたくなる気持ちもわかりますが、甘やかしてばかりでは人の言うことを聞かない犬になってしまうことを、家族みんなで理解しておきましょう。
甘やかす専門の人は、犬から見て順位が低い!?
獣医師:犬は本来、群れで行動する動物です。群れの中ではリーダーや上位の犬を信頼し、命令やルールを守ろうとする習性を持っています。
ペットの犬においては、犬の群れで生活することはありませんが、人間の家族の中で過ごすことになります。そして、群れで生活するかのように、家族の全員がどういう順位なのかを決めていきます。
ここで、甘やかしてくれる人はどの順位になるか考えてみてください。甘やかしてくれる人は犬にとって「優しいから好き」かもしれませんが、残念ながら順位は犬より下! つまり、いつも甘やかしてくれる人の命令やルールは、守らなくなってしまうのです。
人よりも犬の順位が上がると、犬にとってストレスに…
獣医師:犬が人より上位になってしまうと、「上位者」として力を発揮しなければなりません。その状態は犬にとってストレスになり、さまざまな問題行動を引き起こすといわれています。そうなってしまっては、犬にとっても居心地のいい環境とはいえません。
家族全員で愛犬を一番下位に置いてあげることが、愛犬にとっても幸せなことなのです。
しつけのポイントは、家族で話し合うこと
獣医師:犬のしつけで大切なことは、家族で話し合い、愛犬がストレスに感じないようにルールを確認しておくことです。お父さんにも「愛犬のためになるのだから」と、理解していただけるといいですね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
文/sorami