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カゼと思ったら……本当は恐ろしい犬のセキの正体 なりやすい犬種も

犬のセキ=風邪じゃない!?

イラスト/フジマツミキ
愛犬のセキが1カ月に1回程度だったり、数日続いてもおさまったりしたとき、飼い主さんは「軽いカゼだったのかな?」とあまり気にすることがないかもしれません。しかし、そのセキ……実は「気管虚脱(きかんきょだつ)」という病気の初期症状としてあらわれている可能性があるのです。

気管虚脱とは、なんらかの原因で気管がつぶれていき、呼吸がしづらくなる病気です。乾いたからゼキにはじまり、徐々にセキの回数が増え、せき込む時間も長くなっていきます。からゼキのあとに「ケッ」と何かを吐き出すように強いセキをするようになるのも特徴です。のどに異物が刺さったり、詰まったりしているのではと感じる飼い主さんも多いとか。重度になると、ガーッガーッとガチョウの鳴き声のような声を発しながら苦しそうに呼吸し、眠れなくなるほどです。

症状が出るとどうなるの?

正常な器官は、写真のようにきれいな筒状となっています。いっぽうで、グレード3と診断された気管は写真のようにひしゃげてしまっています。この段階になると、呼吸音がガチョウの鳴き声のようになることも。
症例写真提供/アトム動物病院動物呼吸器病センター
症例写真提供/アトム動物病院動物呼吸器病センター

気管虚脱を発症しやすい犬種は?

  • ヨークシャー・テリア
  • ポメラニアン
  • チワワ
  • トイ・プードル
  • マルチーズ
  • ゴールデン・レトリーバー
  • ラブラドール・レトリーバー
  • ボクサー
  • 柴や日本犬のミックス


気管虚脱はどの犬にも見られる病気で、7~8才で症状が出やすいとされています。とくに発症が目立つのは、上記のような犬種。これらの犬種は2~3才といった若い時期に症状が出ることもあり、遺伝的な要因がかかわっていると考えられています。

気管虚脱を予防するには?

残念ながら、気管虚脱の予防や進行を止める治療はありません。ただし、気管に負担をかける行動がきっかけとなって、突然重い症状が出ることもあるとわかっています。
とくに発症しやすい犬種は、

  • 興奮する
  • 高温多湿の時期に激しい運動をする
  • 激しく吠える
  • 散歩時にリードを引っ張る
  • 首を上げて飼い主さんに飛びつく


などの行動を減らすように心がけましょう。
発症したら進行を止めるのは難しいのが気管虚脱の怖いところ。愛犬のセキに気づいたら、動物病院でエックス線検査をしてもらい、愛犬の気管の状態を診てもらいましょう。

参考/「いぬのきもち」2020年2月号『犬の現代病ファイル 気管虚脱』(監修:米澤 覚先生 アトム動物病院動物呼吸器病センター院長)
症例写真提供/アトム動物病院動物呼吸器病センター
イラスト/フジマツミキ
文/サトウ
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