気にしていますか? 愛犬の1日の飲水量
撮影/尾﨑たまき
冬に愛犬の飲水量が少なくなるシチュエーションは以下の通りです。
減るワケ1 水の交換が少なく、水の鮮度が落ちている可能性がある
ボウルの中に水が残っていると、交換したり補充したりする回数が減りがち。犬は比較的新鮮な水を好むため、残った水の鮮度が落ち、味が変わると飲まなくなることが。
減るワケ2 散歩をしなくなる、散歩時間が短くなる
外は寒く、さらに雪や雨が降っていると、その日の散歩を休んだり、時間を短縮することも。散歩で体も温かくなっていないので、水を欲することが減る傾向が。
減るワケ3 室内での運動量が減りがち
寒いと暖かい場所から動かなくなることがあり、室内遊びの時間も減れば、当然運動量も落ちます。水を飲むきっかけが減ることで、自然と飲水量が減る結果に。
減るワケ4 体温を下げるためにパンティングすることが少ない
暑いなかで運動したとき、犬はハァハァと呼吸(パンティング)して体温を下げます。その際水を飲んで水分を補いますが、寒い時季はパンティングすることも少なくなるため、飲水量も少なくなりがちに。
減るワケ5 飼い主さんが夏場より飲水量を気にしなくなりがち
夏場は熱中症対策などのために愛犬の水分補給をしっかりしようと飼い主さんが意識しますが、冬場はそれほど意識しなくなりがち。水飲みボウルが空になっているのに気づかないことも。
減るワケ6 運動量が減ることで代謝が落ちる
水分をとると代謝が上がり、血の巡りがよくなったり、老廃物を排出しやすくなったりしますが、運動量が減ると代謝が下がり、水分摂取量も少なくなりがちに。
減るワケ7 シニア犬はさらに動かなくなりやすい
関節に痛みが出やすくなるシニア期。寒い時季はとくに痛みが強く出ることがあり、動くのがおっくうになりがちです。水置き場まで行こうとせず、じっとしていることも多くなります。頸椎や腰椎ヘルニアの持病がある犬も同じです。
イラスト/フジサワミカ
愛犬の1日の水分量を知っておこう!
1日の飲水量は体重1kgあたり30~50mlが目安です。24時間の間にどれくらい水を飲んだか把握しておくと、動物病院で受診する際にも役立ちます。量ったことがなければ、一度量ってみることをおすすめします。
体重別・飲水量の目安
体重 1日の飲水量
2㎏ 60~100ml
5kg 150~250ml
10kg 300~500ml
15kg 450~750ml
20kg 600~1000ml
25kg 750~1250ml
※体重1kgあたり30~50mlで計算しています。
量り方
イラスト/フジサワミカ
計量カップで愛犬に必要な1日の飲水量以上の水を用意し、それぞれのボウルに注いだ量(合計でOK)を把握しておく
イラスト/フジサワミカ
24時間後に各ボウルに残った水を計量カップに戻す。注いだ量から残った水の量を引いた量が、愛犬の1日の飲水量
冬も上手に水分補給させるアイデア
愛犬が上手に水分をとれるよう、生活を見直してみましょう。簡単なアイデアで水分補給することができますよ。
ドライフードをふやかして与える
イラスト/フジサワミカ
ウェットフードを取り入れる
イラスト/フジサワミカ
水に愛犬好みのニオイ・味をつける
イラスト/フジサワミカ
給水器をボトルタイプからボウルに変える
イラスト/フジサワミカ
ボウルの高さを変えて飲みやすくしてみる
室内の水飲み場を増やしてみる
いかがでしたか。水の温度が好みでなかったり、ホコリや被毛が入った水は飲まないという場合も。水を変えるときは容器をきれいに洗い、温度の違う水を置いてみるなど、飼い主さんも楽しみながら、工夫してみましょう。
参考/「いぬのきもち」2020年1月号『水を飲む量が減ると起こる不調・病気』(監修:野矢雅彦先生 ノヤ動物病院院長)
イラスト/フジサワミカ
撮影/尾﨑たまき
文/サトウ