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犬が保冷剤を食べた! 誤飲・誤食トラブルに獣医師が答えます

「ちょっと目を離した隙に、犬が変なものを食べちゃった!」など、犬の誤飲・誤食にまつわるトラブルは飼い主さんにとって気がかりなもの。獣医師に寄せられた相談のなかで、実際にあった例をQA形式でご紹介します!

Q. 数日前にこんにゃくを食べましたが、まだ出てきません。大丈夫でしょうか?

イラスト/尾代ゆうこ
イラスト/尾代ゆうこ
A.下痢や嘔吐がないか、数日はよく観察しましょう。

消化ができる食品を誤食した場合、基本的には無理に吐かせずに自然に排泄されるのを待ちます。こんにゃくは少量食べる分には問題ありませんが、非常に消化が悪く、嘔吐や下痢などを起こすこともあります。食べた量が多いのであれば、ある程度の量が排泄されるまでは、消化器の症状が出ないか、気をつけて見守りましょう。

Q. 保冷剤を袋ごと誤食しました。中身は吐いたけど、ビニールが出てきません

A.ビニールを体の外に出す処置を早めに受けると安心です

ビニールは消化管にくっついてしまうことがあります。そのままビニールが動かないと、消化管が炎症を起こし、ひどい場合には穴があいてしまいます。中身は吐いたと思っていても、じつはすべて吐ききっていない可能性も。誤食して間もない場合は、早めに体の外に出すための処置を受けるほうが安心です。必ずかかりつけ医に相談してください。

Q.散歩中に農薬をなめて嘔吐しました!

A.一刻も早く獣医師の診断を受けてください

農薬や殺虫剤には、殺傷力の高いヒ素などの薬物が入っているものも多く、少量でもけいれんや意識不明に陥ることも。処置が遅いと死に至ることもあるので、一刻も早く獣医師の診断を受けてください。なかでも、ナメクジ駆除剤は犬にとっても魅力的なのか、庭にまいたものを食べてしまう犬が多いそう。使用した際は、愛犬を近づけないように気をつけてください。

なお、以下は命にかかわる危険がある誤食物です。これらのものを誤食した後、けいれん、麻痺、呼吸困難、意識不明、泡を吹くなどの症状が出たら非常に危険! 一刻も早い処置が必要なので、至急動物病院で診察を受けてください。

命にかかわる危険がある誤食物リスト

□ 農薬・殺虫剤・殺鼠剤
けいれんや意識不明に陥り、最悪すぐ死に至る場合もあります。

□ ボタン電池
犬が飲み込むと体内で放電します。同じ場所にとどまると粘膜を腐食し、胃や腸などの内臓に穴があくことも。レントゲンを撮り、体内のどこにあるか確認をしてから、できるだけ早く取り出す処置をする必要があります。

□ 乾燥剤
乾燥剤のなかでも、海苔などによく使用されている吸湿力の高い生石灰(酸化カルシウム)は、犬が誤食すると体内で高熱を発する危険があります。ひどい場合には胃に穴があき、死に至ることもあるので要注意。

□ 保冷剤
保冷剤の成分であるエチレングリコールは甘い味がするため、犬がかじって穴をあけた場合、そのまま食べてしまいがち。しかし、これには毒性があり、徐々に食欲が低下し、嘔吐や意識障害を起こして腎不全に至り、死亡することもあります。

□ 人が服用する薬(とくに血圧系)
胃薬は比較的安心ですが、血圧を抑える薬、カゼ薬、睡眠薬などは早めの処置が重要。飼い主さんの手から落ちると反射的に拾い食いする犬も多いので、愛犬が近くにいるときは拭くように気をつけて!
いかがでしたか? 犬の誤飲・誤食は、なかには緊急性が高く、すぐに対処しないと命にかかわる場合もあります。少しでも気がかりなことがあれば、すぐにかかりつけ医に相談するとよいでしょう。

参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ『いぬのきもち』2017年1月号「拡大版 いぬのきもち獣医師相談室」(監修:いぬのきもち獣医師相談室)、初めて飼い主さんの『いぬのきもち』2017年1月号「キケン!誤食リスクMAP」(監修:ドン・ペット・クリニック院長 重田洋一先生)
イラスト/尾代ゆうこ
文/サトウ
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