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血が止まらなくなる……犬の血にまつわる恐ろしい病気4選

犬の血液に異常が起こる恐ろしい病気、知ってますか?

体中に酸素や栄養を運ぶ、ウイルスや細菌から身を守る、出血を止めるなど、犬の血液はさまざまな働きをしています。この血液に異常が起こると、命にかかわる恐ろしい症状を引き起こしてしまうことも! 発症すると血が止まらなくなる、恐ろしい病気を4つご紹介します。

1.フォンビレブランド病

血中にある止血因子がうまく働かなくなる
フォンビレブランド因子とは、犬の血液中にある、止血に必要な因子のこと。これが生まれつき少なかったり、機能に異常があることで発症し、血が止まらなくなるのがフォンビレブランド病です。遺伝性の疾患のひとつで、一度出血するまではこの病気であることに気づきにくいため、要注意です。

2.血友病

遺伝性の疾患で、出血すると血が止まらなくなる
遺伝性の血液疾患で、止血に関わっている因子の働きが低下するために血が止まりにくくなる病気です。止血の仕上げにかかわる因子に異常が起こるため、フォンビレブランド病より深刻化しやすいと考えられています。

3.免疫介在性血小板減少症

症状が進行すると、写真のような紫斑が見られることも(症例写真提供/東京動物医療センター)
症状が進行すると、写真のような紫斑が見られることも(症例写真提供/東京動物医療センター)
何らかの影響で、免疫機能が血小板を攻撃する
犬の血液は大きく分けて「赤血球」「白血球」「血小板」の血球(骨髄由来の成分)と、「血漿(けっしょう)」(液体)の4種類からできています。人と犬では血球の数が異なる場合もあるようですが、全身に酸素を送り届ける、病原菌から体を守るなどの働きは人と同じです。

血中には、血液を固める作用をもつ何種類かのたんぱく質(凝固因子)も含まれていますが、ケガなどで出血したときには血小板が集まって固まることで傷口をふさぎ、体外への血液の流出を防いでいます。この血小板を、体内にある免疫機能が異物と認識して攻撃してしまうのが免疫介在性血小板減少症です。血小板が減少することで止血作用が働きにくくなり、出血すると血が止まらなくなる場合があります。

4.殺鼠剤中毒

殺鼠剤はネズミだけではなく、犬にも毒です(イラスト/須山奈津希)
殺鼠剤はネズミだけではなく、犬にも毒です(イラスト/須山奈津希)
体内のビタミンが破壊されて、血が固まりにくくなる
殺鼠剤に含まれる成分によって中毒症状を起こすと、血液の凝固機能に異常が起こるため、鼻血や血便など、さまざまな部位から出血して、貧血症状を起こします。犬がネズミの死骸を誤食することで起こることもあります。
ちなみに、血液量の割合は人と同じです
ちなみに、血液量の割合は人と同じです犬の血液量は体重1キログラムあたり約90ミリリットルといわれているため、体重30キログラムの場合、約2.7キログラム。人は体重のおよそ13分の1といわれているため、体重65キログラムの場合約5キログラム。体重に対する割合は人も犬もほぼ同じといえるでしょう。
体重65kgの人の血液量は約5kg、体重30kgの犬の血液量は約2.7kg(イラスト/須山奈津希)
体重65kgの人の血液量は約5kg、体重30kgの犬の血液量は約2.7kg(イラスト/須山奈津希)

出血してからでは遅いので、定期的に健康診断を

犬も人と同様、大量に出血すると命が危険になりますし、失われると危険な血液量も人と変わりません。ご紹介した病気は、いずれも血が止まらなくなるという症状が見られるものですが、出血してからでは対応が遅れてしまうことも。定期的に動物病院で愛犬の健康診断をしてもらい、隠れた病気がないかチェックすることが望ましいでしょう。

参考/愛犬との暮らしをもっと楽しむ『いぬのきもち』2020年4月号「犬の血液の話 まるわかりガイド」特集(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
症例写真提供/東京動物医療センター
イラスト/須山奈津希
文/影山エマ
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