犬に多い悪性腫瘍(ガン)に「リンパ腫」という病気があります。では、犬がリンパ腫になるとどのような症状がみられるのでしょうか?
「犬のリンパ腫の症状や特徴、治療法」 について、いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に話を聞きました。
犬のリンパ腫ってどんな病気?
犬のリンパ腫とは、白血球の1種であるリンパ球が腫瘍性(体内でコントロールできない位)に増殖する悪性腫瘍のことをいいます。
犬のリンパ腫でみられるしこりは、癌化した異常なリンパ球が過剰に増殖することでしこりになったもので、リンパ節にできることが一番多く、消化器、胸腺、皮膚、目などにも発生します。
リンパ腫になりやすい犬の傾向
犬のリンパ腫は中高齢の犬に多くみられる傾向があり、犬種ではボクサーやゴールデン・レトリーバー、バセット・ハウンドなどで発生が多いといわれています。
犬のリンパ腫の症状
多中心型
犬のリンパ腫のうち多中心型は80%といわれており、リンパ節の腫大、食欲の低下、発熱、体重減少などの症状がみられます。
消化器型
犬のリンパ腫のうち消化器型は5%といわれており、慢性的な嘔吐・下痢、黒色便、食欲の低下、体重減少などの症状がみられます。
縦隔型
犬のリンパ腫のうち縦隔型は5%といわれており、呼吸困難などの症状がみられます。
皮膚型
犬のリンパ腫の稀な種類として皮膚型があり、皮膚のしこり、潰瘍などの症状がみられます。
その他のリンパ腫
そのほかにも稀な種類として目や神経、腎臓などのリンパ腫があり、失明、神経症状、腎数値の上昇などがみられます。
犬のリンパ腫が疑われる場合の検査方法
犬のリンパ腫が疑われる場合は、血液検査、レントゲン検査、体表リンパ節の測定、超音波検査、リンパ節の検査(細胞診、病理組織検査、クローナリティ検査)、骨髄検査などが行われます。
犬のリンパ腫の治療法
犬がリンパ腫と診断されたとき、ほとんどの場合で抗がん剤やステロイドを用いた治療が第一選択になります。
犬のリンパ腫の早期発見のためにできること
犬のリンパ腫を早期発見するためにできることとして、
- 定期健診を受け、触診でリンパ節の大きさを確認すること
- 触りやすい犬のリンパ節の場所を動物病院で確認し、日常的にチェックすること
などによって、病気に気づくきっかけとなる可能性があります。
愛犬の様子で気になることがある場合は動物病院を受診するようにしましょう。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室獣医師・岡本りさ先生)
取材・文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿されたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください