言葉を話すことができない犬は、体を使って自分の感情を表現します。なかでも「しっぽ」は、犬の気持ちが表れやすいパーツのひとつです。今回は、しっぽの動きや位置でわかる犬の気持ちについてまとめました。ぜひ愛犬とのコミュニケーションに役立ててみてくださいね。
しっぽの「振り方」でわかる犬の気持ち
しっぽを高く上げて、お尻ごとブンブン振る
しっぽをつけ根から回すように振るしぐさは、「うれしい」「楽しい」「大好き」という気持ちを表現しています。しっぽの短い犬でも、お尻をくねくねと振っているように見える場合は、同様の気持ちを表していますよ。
しっぽを上げて、しっぽの上のほうだけ振る
しっぽを上げて振っていても、表情はかたく、かつお尻も振っていないときは、緊張や恐怖のサインです。「向かってきたら応戦するぞ!」と威嚇の意味が込められている場合もあります。
しっぽを水平か、水平より下でユラユラ振る
「近づかないで」「不安だな」「緊張するな」など、相手に警戒心や不安を感じつつ、様子を見ているときに多いしぐさです。口は緊張から閉じていることもあれば、敵意がないことを示すために軽く開けていることもあります。
しっぽの「位置」でわかる犬の気持ち
しっぽを股の間に巻きこむ
「怖い」「不安」「嫌だ」「来ないで」など、このしぐさは強い恐怖心や不安な気持ちを表現しています。しっぽを巻きこむのは、相手にしっぽを取られたくないから。あるいは、体を小さく見せて敵意がないことを示すためです。
頭を下げてしっぽとお尻を上げる
おじぎのようなこのしぐさは、「遊ぼう」「かまって」「楽しい」などという気持ちを表していて、相手を遊びに誘うボディランゲージ「プレイ・バウ」ともいわれます。体は前のめりになり、目を輝かせてしっぽを上げているのが特徴です。
頭を下げてお尻を上げ、しっぽを下げる
このしぐさは、「敵意はないです」「落ち着いてください」「お手やわらかに」という気持ちの表れです。「プレイ・バウ」と少し似ていますが、こちらはしっぽを下げ、かつ体全体はやや引きぎみになっているのが特徴で、相手に対しこの姿勢をキープします。
頭を下げて体を縮こまらせ、しっぽを下げて近づく
「お手やわらかに」「敵意はないですよ」など、相手に媚びを売るようなしぐさで、体を小さくすることで、敵意がないことを伝えています。相手の様子をうかがいつつ、はうように近づくのも特徴です。
お世話や関係性アップに役立てて
今回は、しっぽの振り方や位置でわかる犬の気持ちについてご紹介しました。
感情のいだき方は犬によって異なります。しかし、愛犬をふだんからよく観察していれば、「うちのコの場合は、こう思っているのかも」と細かい気持ちをくみとれるようになるはずです。
愛犬の気持ちを理解し、お世話や関係性の向上に役立てましょう!
参考/「いぬのきもち」2020年6月号『360度いぬのこと大調査!第3章 早見表にしました!きもちがわかる!いぬのしぐさ35』(監修:獣医師 英国APDT認定ペットドッグトレーナー Canine Relationz主宰 藤本聖香先生)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。