散歩は愛犬との楽しい時間ですが、ほかの犬や飼い主さん、犬を飼っていない人ともふれあうシーンも多く、噛みなどのトラブルが起こらないように注意が必要です。今回は散歩の時間がより安全になる、すぐに取り入れられるリードの正しい使い方について日本動物病院協会認定家庭犬インストラクターの戸田美由紀先生に聞きました。
どんなリードを使えばいいの?
オススメはぎゅっと握りやすくちぎれにくいナイロン製の平打ちのリード。長さは180cm、幅は愛犬の体格に合わせて小型犬なら1㎝、中・大型犬なら2~3㎝程度が目安です。購入前に金具の強度が充分かを確認しておくと安心ですね。
基本のリードの持ち方はこう!
1.安全な長さの目印に結び目を作る
犬にリードをつけて横へ立ち、リードを持った腕を垂らした状態で、犬の頭から40~50㎝離れた位置に結び目(安全な長さの目印)を作ります。
2.手のひらにひと巻きする
先端にある取っ手を親指にしっかりとかけ、もう一方の手でリードの残りの部分を、手の甲側から手のひら側へ向かうようにひと巻きします。
3.安全の目印をもって親指にリードをかける
あいているほうの手で、1で作っておいたリードの結び目(安全の目印)を持ち、リードが巻き付いている手の親指の上にかけましょう。
4.親指以外の指でリードを握る
結び目を小指のすぐ下の位置まで引き下げ、長さを調節。写真のように、手のひらから垂れているリードを残りの指でしっかりとはさみます。
5.リードを少しゆるめて持つ
飼い主さんの手と愛犬の頭までが40~50㎝程度になるのがベスト。散歩中は写真のように愛犬の首元にある金具が横に向く程度のたるみ具合を常に保って歩きましょう。
危ない飛びつきグセに使えるリード使い&対応法
人に飛びついてしまうクセをそのままにしておくと、転倒させたりケガをさせたり、さらには興奮して噛んでしまうなどのトラブルが起こることもあるのでNG。リードを正しく持ち、興奮を落ち着かせる対応法で万全に対策するため、顔見知りの人や犬好きの人の協力のもと、下記を行ってみましょう。
※この解決ワザは、顔見知りの人や犬好きの人が相手だった場合に限り、協力してもらって行うものです。それ以外の相手の場合は、ほかの犬や人が近づいてきたら、リードを短めに持ってすぐにその場を離れるなどの対策を行ってください。
1.通行人が来たら“しっかり持ち”で止まる
周囲を常にチェックし、通行人に飛びつこうとしたら上で紹介したリードの握り方に加え、その場でリードを両手で持ち、おへその位置でしっかりと持つ「ヘソ止まりポーズ」をします。
2.オスワリさせてアイコンタクトする
「へそ止まり」で愛犬の動きが止まったら、オスワリをさせて愛犬と見つめ合います。愛犬の目線が通行人のほうにいったら、おやつで目線を飼い主さんのほうに誘導し、目が合ったらほめましょう。
3.飛びついたらすぐに引き戻す
飼い主さんの静止を聞かずに飛びつこうとしたら、すぐに「へそ止まり」で愛犬を引き戻し、2の状態を保ちます。通行人にも、犬が落ち着くまで構わないでいてもらいましょう。
4.落ち着いていられたらマッテを解除する
2の状態でしばらくいられたら、「OK」と声をかけてマッテを解除。もし通行人の人が犬好きで、触れ合いたいと声をかけてもらったのであれば、通行人からほめてもらってもよいでしょう。「落ち着いたらほめてもらえる」と犬に伝えることができます。
いかがでしたか? トラブルを予防するためにも、ぜひ“正しいリード使い”を練習して、安全で楽しい散歩の時間にしてくださいね!
参考/いぬのきもち2016年12月号「散歩中の困りごと、リード使いで解決します」(監修:日本動物病院協会認定家庭犬インストラクター 戸田美由紀先生)
撮影/佐藤正之
文/melanie