犬と暮らす
UP DATE
犬が自分のおしりを舐めるのは異変のサイン! 違和感を放置すると悪化することも
愛犬が自分のおしりを舐めるような素振りを見せることがないでしょうか? もしかしたらそれは、異変を感じているのサインかもしれません。
この記事では、犬が自分のおしりを舐めてしまう理由について、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
犬が自分のおしりを舐めるワケ
ーー犬が自分のおしりを舐めるとき、どのような理由が考えられますか?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「犬が自分のおしりを舐めるときは、おしりを気にしていることが考えられます。理由として多いのは…
などでしょう」
ーーおしりに違和感があるのですね。じつはなにか病気が関係していた…というケースもあるのでしょうか?
獣医師:
「ありますね。よくあるものを解説します」
肛門嚢炎
獣医師:
「肛門嚢の分泌液が出る管がなんらかの原因でつまり、細菌感染が起こると、肛門嚢の炎症が起こります。これを肛門嚢炎といいます。そして、肛門嚢炎が放置されて膿になると、皮膚が破れることもあります。
このような肛門嚢の炎症があると、犬はおしりを気にして舐めます。ほかにも、肛門を地面や床にこすりつけて歩いたり、しっぽを追いかけてくるくると回ったりする行動が見られることもあるでしょう」
寄生虫の感染
獣医師:
「また、寄生虫の感染(例:瓜実条虫)などがあると、寄生虫の種類によっては肛門の周りに寄生虫の一部が付着するために、おしりを気にして舐めるような行動が起こります。食欲低下や軟便、下痢なども伴うことがあるでしょう」
ーー犬がおしりを気にするのは異変のサインだと思って、飼い主さんも見逃さないようにしたいですね。
犬が自分のおしりを舐めてしまうときの対処法
ーー犬が自分のおしりを舐めてしまうとき、飼い主さんができる対処法について教えてください。
獣医師:
「もし犬が自分のおしりを舐めてしまう場合、まずは肛門周囲を目視で確認してみましょう。そして、いつも通りで異常がなければ肛門嚢を絞ってあげてみてください」
ーー肛門腺絞りと呼ばれるものですね。
獣医師:
「そうですね。慣れていないと絞るのはなかなか難しいと思いますので、無理をせず、できなければ動物病院やサロンなどでお願いしましょう。肛門嚢は定期的にケアしてあげてくださいね」
肛門周囲の違和感が強い場合は、動物病院へ
獣医師:
「もしも犬が嫌がったり、肛門周囲の痛みや違和感が強そうならば、肛門嚢から膿のような液体が出ていないかどうか、肛門周囲の皮膚が破れていないかを確認しましょう。
また、寄生虫の一部が便に排泄されて見つかることもあるので、便におかしなものが混じっていないかどうかも確認するとよいでしょう。
このような異常が見つかった場合は、動物病院で治療を受けてください。また、目視で異常が見当たらない場合でも、症状がおさまらなかったら動物病院で確認してもらいましょう」
おしりを舐めたり、床にこすりつけたり…おしりを気にする素振りが見られたら、原因がなにかを特定して対処してあげましょう。飼い主さんで判断できないこともあると思うので、心配な場合は早めに動物病院で診察を受けてくださいね。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
UP DATE