犬は7才くらいになると、シニア犬の仲間入りをします。愛犬に長く健康に暮らしてもらうには、老化のサインに早く気づいて、正しく対処してあげるのがポイント。この記事では、犬のしぐさや行動に表れる、さまざまな老化のサインをご紹介します。
「筋力」が衰えたときに見られるサイン
犬は年を重ねると、足腰などの筋力が衰えるため、歩くスピードが遅くなったり、散歩を嫌がったりすることがあります。また、オスワリやフセなどのポーズは意外と筋肉を使うため、シニア犬になるとできなくなる犬も。
そのほか、散歩中に段差を越えられない、段差につまずくといったサインが見られることもあります。この場合は筋力の衰えだけではなく、脳神経や平衡感覚の異常、関節痛なども原因として考えられるため、早めに動物病院を受診することが大切です。
なお、筋力の衰えを最小限にするには、若いうちから体幹や筋肉を鍛えるトレーニングを行うのがおすすめ。ただし、足腰の悪い犬には無理をさせないようにしてくださいね。
「聴覚」が衰えたときのサイン
若いときは名前を呼ぶとすぐに振り返っていた犬が、年を取って反応しなくなることがあります。呼びかけたときに耳がピクッと動かなければ、原因は聴覚の衰えでしょう。また、周囲への関心が薄くなって反応しないケースも考えられます。
犬の聴覚の衰えはなかなか予防できないため、このサインが見られた場合は、愛犬との接し方に注意してください。急に触ると驚かせてしまうため、愛犬から見える場所から近づくようにしましょう。
「視力」が衰えたときに見られるサイン
加齢によって視力が衰えると、犬は物によくぶつかるようになります。家具の角などにぶつかると危ないので、危険な場所にはクッション材を貼る、ハウスまわりには物を置かないなど、工夫してあげましょう。
また、犬は目が見えにくくなっても、感覚で家具などの場所を覚えているため、家具の大幅な配置変更は避けたほうが無難です。
その他、知っておきたい「犬の老化サイン」
加齢によって粗相をするようになる犬も多いでしょう。シニア犬が粗相をするのは、膀胱にためられる尿の量が減少したり、トイレまで歩くのが間に合わなかったりするため。また、腎臓に異常がある場合もあるので、気になるときは動物病院を受診してください。
ほかにも、体の痛みや好奇心が薄れたことなどが原因で、おもちゃで遊ぼうとしなくなる犬もいます。
年を重ねた犬の体にどんな変化が起きるのかを知っておけば、ある程度は落ち着いて対処できるはず。愛犬に老化のサインが見られたら、快適に暮らせるよう工夫してあげましょう。
参考/「いぬのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】愛犬の老化サインやシニアになってからの暮らし方』(監修:石田よう子犬と猫の歯科クリニック院長 石田陽子先生)
文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。