新型コロナウイルス感染拡大、外出自粛やリモートワークなどの変化があり、2020年は変化の多い年でした。その影響か、犬の病気に関しても例年とは違う傾向があったようです。
今回は「2020年に多かった犬の病気TOP3」と、コロナ禍ならではの症状をご紹介します。
※ご紹介しているランキングは、2020年1月1日から8月31日の期間において、各動物病院で保険金請求が多かった傷病や、監修の先生のご見解をもとに算出したものです。
2020年犬に多かった病気
獣医師の先生にうかがったところ、2020年に多かった犬の病気「総合ランキング」では第1位が外耳炎、第2位が皮膚炎、第3位が歯周病でした。
耳に赤み・かゆみが出る「外耳炎」
第1位の外耳炎は、受診件数が毎年トップ。耳でカビや細菌が繁殖して赤みやかゆみが出る病気で、アレルギーやアトピーと連動して症状が出るケースも多いようです。2020年は外耳炎の相談件数も増加しましたが、これは飼い主さんの在宅時間が増えて愛犬の異変に気づきやすくなったことが一因かもしれません。
皮膚に湿疹が出る「皮膚炎」
第2位の皮膚炎は、免疫力が低下して皮膚に湿疹が出る病気です。免疫機能に異常が起こっているところで細菌に感染し、膿皮症(のうひしょう)などの病気になるケースもあります。とくに垂れ耳の犬は、耳が触れる首まわりの皮膚に症状が出ることもあるので要注意。
歯のまわりに炎症が起こる「歯周病」
第3位の歯周病は、口内で細菌が繫殖して歯のまわりに炎症が起きる病気。場合によっては骨が溶けてしまうこともあります。すべての犬種に見られますが、とくにマズルの小さい犬や短頭種は注意しましょう。
コロナ禍ではこんな症状も多かった?
ちなみに、第4位にランクインしたのは、嘔吐や下痢。コロナ禍で飼い主さんの在宅時間が増えたことから、はしゃぎすぎた疲れから嘔吐や下痢をした犬もいたようです。
それ以外にも、愛犬と過ごす時間が増えたため食べものを与えすぎた例や、家族間のケンカが増加したストレスから発症した例も見られました。2020年ならではの要因が目立つ結果といえますね。
受診の回数を抑える飼い主さんも
そのほか2020年で変わったのは、受診の回数を抑える飼い主さんが多かったことでしょう。これまでは愛犬の投薬治療のために定期的に来院していた飼い主さんも、感染症対策でまとめて薬を取りに来るケースがよく見られたようです。
ただし、もし愛犬の調子が悪そうなときなどは、受診を控えるのは避けましょう。少しでも不安なことがあれば、迷わず受診してくださいね。
コロナ禍で様々な変化のあった2020年。外出自粛やリモートワークなどの環境変化が愛犬に影響を及ぼした事例も見られました。みなさんもご紹介した病気や症状に注意し、愛犬の健康を守りましょう!
参考/「いぬのきもち」2020年12月号『3人の獣医師が今年を振り返りました 2020年に多かった!犬の病気&トラブルランキング』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※ご紹介しているランキングは、2020年1月1日から8月31日の期間において、各動物病院で保険金請求が多かった傷病や、監修の先生のご見解をもとに算出したものです。