人も犬も過ごしやすい気候になりましたが、それと同時に、気温の変化などによって、さまざまな病気やトラブルが起こりやすい時期でもあります。
この季節に特に気をつけておきたいポイントをおさえて、愛犬と気持ちよく過ごしましょう♪
あたたかくなると起きやすいアレルギー
春は植物や昆虫が活発に動きだします。その影響で、下記のような犬の皮膚に影響を与えるアレルギー症状が出やすくなります。
花粉症
人と同様、犬も花粉症になります。犬の場合は、皮膚のかゆみが主な症状です。
マラセチア性皮膚炎
マラセチアという皮脂を好む酵母菌が原因で、強いかゆみを引き起こす皮膚炎です。薬用シャンプーで予防や治療を行います。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミに吸血されてすぐではなく、数年以上経ってアレルギーを引き起こすものです。子犬のころからノミ駆除薬を使用し、発症を防ぎましょう。
※ノミの唾液が原因で、短時間でかゆみが出る「ノミ刺咬性皮膚炎」とは別です。
疥癬症(かいせんしょう)
疥癬という、皮膚に穴をあけて寄生するダニの仲間が原因のアレルギー性皮膚炎です。ダニを殺す外用薬や内服薬で治療します。
アトピー性皮膚炎
皮膚の炎症や脱毛、かゆみを引き起こします。特定の原因物質に対してだけではなく、環境要因も加わって発症することがあります。
これらの予防には、シャンプーやブラッシングで被毛を清潔に保つことが重要です。
また、部屋の掃除をこまめに行うことや、空気清浄機の使用もオススメです。
※ここに掲載した病気は、獣医師によってはアレルギーと判断されないものもあり、アレルギーと似た症状を起こすものも含まれています。
換毛期によるトラブル
夏に向けて体温調節をするため、不要な被毛が抜けていく春の換毛期は、大量の抜け毛によるトラブルに注意が必要です。
脱毛・膿皮症(のうひしょう)
抜けた被毛を放置していると毛玉になり、その下の皮膚が蒸れて炎症を引き起こす原因に。赤みのある発疹が日に日に増えて、その部分が脱毛してしまうことも……。
このようになると完治に時間を要する場合があるため、毎日丁寧にブラッシングをして予防しましょう。
呼吸器のトラブル
換毛期は大量の抜け毛により、部屋が汚れやすくなります。汚れをそのまま放置すると細菌や家ダニの温床に。犬がこれらを吸い込むと呼吸器系の病気を引き起こすことがあります。
フィラリア症・狂犬病の予防
春はフィラリア症予防の開始と狂犬病ワクチンの時期です。どちらも命にかかわる重大な病気なので、必ず実施しましょう。
フィラリア症
フィラリアが寄生して血液中に子虫がいる犬の血を吸った蚊が、寄生していない別の犬の血を吸い子虫を媒介することで感染します。心臓や肺動脈に寄生するため血流が悪くなり、命にかかわる障害を引き起こす場合があります。
月に1回の内服薬や滴下薬、年に1回の注射などで予防が必要です。あたたかくなり蚊が活動しはじめる4月ごろから、開始することが多いでしょう。
狂犬病
狂犬病は人にも感染し、発症するとほぼ死に至るおそろしい病気です。飼い犬の予防接種は義務として定められているので、必ず年に1回のワクチン接種を受けましょう。
対策と予防を行うことで、病気やトラブルのリスクは軽減されます。
しっかりチェックして愛犬の健康を守っていきましょう。
参考/「いぬのきもち」2018年3月号『知っておけば病気予防やトラブル回避にも役立つ!春に気をつけたいこと一覧』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/えむら若奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。