原因はさまざま!?かゆみトラブルのもとを知ろう
体にかゆみがあると辛いのは、人も犬も同じです。そこで、飼い主さんが犬のかゆみにいち早く気づくために知っておきたい、犬のかゆみの原因をいくつかご紹介します。中には意外な原因が潜んでいるかも!?
【季節的】な原因かも?
イラスト/オガワナホ
ノミ・ダニ
暖かくなると増えてくるノミやマダニ。刺されると、皮膚の炎症やかゆみの原因になるだけでなく、寄生虫や感染症を媒介したり、貧血などを引き起こすこともあります。
花粉
春先がピークのスギや、春先に咲くタンポポ、夏~秋にかけて増えるブタクサの花粉など、木、花、草の花粉に反応して、皮膚のかゆみを引き起こすと考えられています。
換毛期
毛が生え替わる春先~初夏や秋は、体全体がムズムズするので犬がかゆみを感じやすくなります。また、抜け毛によって皮膚が蒸れることで、かゆみが助長されることもあります。
乾燥
空気が乾燥していると、皮膚の水分量が減ってバリア機能が低下します。すると、ふだんはなんてことのない洋服や、首輪が触れるなどの些細な刺激でもかゆみが生じやすくなります。
虫などに刺される
蚊やハチに刺されるとかゆみが出るほか、フィラリアを媒介したり、アナフィラキシーショックが起こり、命にかかわることも。マムシやヒルにかまれてかゆみが出ることもあるので注意が必要です。
【生活環境やお世話】が原因かも?
イラスト/オガワナホ
カビなどのハウスダスト
ハウスダストとは、家にたまるごく小さな塵のこと。ダニの死骸やフン、さまざまな種類のカビや細菌などが混じっています。それを犬が吸い込んだり、触れたりすることでかゆみが出ます。
家族構成が変わるなどのストレス
大好きな家族が転勤や就職などで家を出てしまう、家族内でのケンカが増えるなどで犬がストレスを感じると、カキカキするしぐさが増えて、かゆみをひどくさせてしまうことがあります。
フローリング剤などの化学物質
皮膚が弱い犬は、フローリング材や家具の接着剤、洋服や首輪、ハーネスの生地、フードや水のボウルなどに使われている化学物質に接触することで、かゆくなることがあります。
ブラッシングのしすぎ
被毛や皮膚を健康に保とうとして、スリッカーなど先がとがったブラシで力強くブラッシングすると、皮膚が傷ついて皮膚環境が悪化。それにより、かゆみ症状が出ることがあります。
サイズの合わない首輪やハーネス
愛犬の体格に対して小さすぎる首輪やハーネス、洋服などを使っていると、体が締めつけられることから摩擦が起こり、かゆみが出ます。過度な装飾が体に当たってかゆくなることも。
間違った方法のシャンプー
シャンプー不足はもちろんですが、逆にシャンプーのしすぎや、きれいにしようとゴシゴシと力強く洗うなどしていると、もともとの皮膚のバリア機能が落ち、かゆみが出やすくなります。
病気の早期発見やお世話のヒントに役立てて
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いかがでしたか? そのほか、結膜炎や天疱瘡など、病気が原因で起こるかゆみもあります。少しでも不安なことがある方は、早めに動物病院を受診してくださいね。
参考/『いぬのきもち』2021年4月号「犬のかゆみ大解剖!」(監修:北川犬猫病院院長 後藤慎史先生)
イラスト/オガワナホ
文/影山エマ