飼い主さんが出かけるときに、鳴いてしまったりそわそわしたりと、留守番が得意ではない犬もいますよね。留守番が苦手な犬には、共通点が見られるそうです。今回、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
留守番が苦手な犬に見られる共通点
留守番が苦手な傾向にある犬には、下記のような特徴が見られます。
- 飼い主さんに常についてまわる犬
- 留守中に怖い出来事を経験してしまった犬
- 過去に虐待を受けたことのある犬など、現在に至るまでの環境変化が大きい犬
留守番が苦手といったときに軽度〜重度のものまでありますが、分離不安の傾向がある犬の場合もあるかもしれません。
犬が留守番するのが苦手になってしまう原因
犬は基本的に集団生活をする動物なので、ひとりぼっちになることに不安を感じます。個体差はありますが、飼い主さんといつも一緒にいたり、べったりとくっついているような関係の場合は、留守番でひとりにされると「寂しいなぁ」「退屈だなぁ」と思ってしまうでしょう。
飼い主さんの在宅時間が増え留守番が苦手になる犬も
最近は、新型コロナウイルス感染症の影響によって飼い主さんが家にいることも多くなりました。犬としては嬉しいですが、その反面、飼い主さんと離れがたくなり留守番が苦手になってしまうコも増えている印象です。
犬の留守番への苦手意識を克服するための対策
留守番が苦手な犬を、今後できるコに育てるための工夫については、下記のポイントを意識してみてください。
①留守番前後に過度な声かけをしないこと
飼い主さんが出かける前に声かけをすることで、愛犬は「これから出かけてしまうんだ!」と察してしまいます。また、飼い主さんが帰ってきてからいつも以上にかわいがってあげたりすると、「やっぱりひとりは寂しいんだな」と思ってしまいます。
そのため、留守番前はふだん通りに過ごして犬が気づかないうちに出かけ、帰ってきてからは、まずかわいがりたい気持ちをグッとこらえて、愛犬が落ち着いたのを見計らってからかわいがるようにするとよいでしょう。
愛犬だけで過ごす時間を意識的に作り、それを習慣づけてみてください。そうしておくと、留守番のときもひとりで上手に過ごすことができるようになるでしょう。
②外出前のおきまりの行動を決めないこと
顔を洗って着替えをして、メイクをしてご飯を用意して……と、いつものおきまりの飼い主さんの行動は、愛犬に「これから留守番がはじまる!」と気づかれてしまいます。行動パターンを一定化しないようにすることも、対策としてよいでしょう。
つまり、「留守番は日常的なこと」と愛犬に理解させ、留守番に慣れさせてしまうことが重要です。これには練習も必要で、急に長時間の留守番をはじめるのではなく、短時間から繰り返して慣れさせていくようにしてください。
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
取材・文/sorami