犬を飼い始めたときに、「イイコに育てなきゃ」と一生懸命にがんばる飼い主さんも多いでしょう。しかし、がんばってもうまくいかないことがあると、ネガティブな感情を抱えてしまうことも。
今回は「犬育て」に楽しく向き合うための心構えを4つご紹介します。
その1:できないことよりも「できること」を認める
しつけなどがうまくいかないと、愛犬の「できないこと」にばかり目がいきがちに。悲観してしまうよりも、「できること」に注目すれば気持ちが切り替えられ、愛犬への愛おしさもグッとアップします。
「当たり前」のことでもほめてあげる
例えば、「よく食べる」「外でもトイレができる」「足拭きが上手にできる」なども立派な長所。できて当たり前と思ってしまいがちですが、できなくて困っている飼い主さんも意外といるものです。
ささいなことでも長所に注目し、愛犬をほめてあげてください。そして「どういうときにほめられるか」をどんどん伝えていきましょう。
その2:飼い主さんの気持ちは伝わるので「ポジティブ」に
犬は飼い主さんの様子をよく観察しています。飼い主さんが愛犬を「何もできないコ」などとネガティブに思うと、態度などに表れて伝わってしまうでしょう。愛犬にはポジティブな気持ちで接してください。
指示どおりできなくても焦らない
例えば、愛犬が指示どおりにできないと、「なんでできないの?」と焦ってしまうかもしれません。しかし、飼い主さんの焦りが緊迫感を生み出して愛犬の負担になり、できることもできなくなるという悪循環に陥ることが。
そんなときは「少しずつでいい」と考え、気持ちに余裕をもってトレーニングするようにしましょう。こまめにほめながら取り組むと、愛犬もがんばれるはずです。
留守番させることに罪悪感をもたなくてOK
愛犬を留守番させることに対して、罪悪感を覚える飼い主さんも。しかし、外出前に適度に運動させ、快適に留守番できる環境を整えれば、愛犬はのんびりと過ごせます。
日常的に一日中留守番させるのが続かなければ、「かわいそう」と思わなくても大丈夫なので、お互いの時間を楽しみましょう。
その3:生活のペースは「飼い主さん優先」でOK
「愛犬ファースト」ばかりだと飼い主さんが疲弊してしまうため、無理に愛犬に合わせる生活を送らなくてもOKです。愛犬も自分中心の生活が当たり前と認識してしまう場合があるので、生活のペースは適度に飼い主さんを中心にしたほうが、お互いにストレスがありません。
ごはんの時間はまちまちでOK
例えば、愛犬に同じ時間にごはんを与えるため、毎日どこにも寄らずに帰宅するという飼い主さんがいます。しかし、毎日同じ時間にごはんを与えていると、その時間になる吠えてごはんを要求するようになるケースもあり、かえってよくありません。
ごはんの時間をまちまちにすることで、愛犬も慣れて食事を待てるようになるでしょう。
ときどき旅行に出かけるのも問題なし
また、愛犬のために旅行を控える飼い主さんもいますが、ときには愛犬を預けて出かけることがあっても問題ありません。
安心して預けられるペットホテルや知人に預けておくと、災害や入院など不測の事態の練習にもなります。
その4:困った行動をしそうなら「回避」が一番
吠える・噛むなどの困った行動は、できれば事前に回避するのがベスト。困ったシーンに直面してからやめさせようとするのではなく回避するほうが互いのストレスが減ります。
散歩中にほかの犬に吠えかかる場合はコース変更
例えば、ほかの犬が苦手で散歩中に吠えてしまうのなら、無理にすれ違おうとせずにコースを変更するのがおすすめ。ほかの犬に早めに気づけるようにし、愛犬が吠えかかる前に別の道を歩きましょう。
ちなみに、愛犬が来客に大興奮する場合は、来客前に愛犬を別室に移動させて、会わせないようにしてみてください。愛犬は余計な興奮を抑えられ、来客は驚かされずに過ごせます。
ものを噛んで壊してしまうなら片づける
ほかにも、愛犬がものを噛んでしまう場合は、愛犬が噛みそうなものは、愛犬の届く範囲に置かないようにするのがポイントです。噛まれる前に片づける、届かない場所に置くなどして対処してください。
愛犬がゴミ箱をあさってしまうときも同様です。愛犬が届かない場所へゴミ箱を移動させる、もしくは、フタつきのゴミ箱の買い替えを検討しましょう。やめさせようとして叱ると、飼い主さんの目を盗んであさるようになり、さらにやっかいですよ。
「犬育て」で大切なのは、飼い主さんが愛犬を愛おしく思い、育てるのを楽しむこと。しつけが思い通りにいかなくても、気持ちを切り替えて笑顔でのぞんでくださいね。
参考/「いぬのきもち」2017年5月号『心がふっと軽くなり、愛犬もイイコになる 犬育ての手引き8』(監修:日本動物病院協会認定家庭犬インストラクター ジャパンケネルクラブおよび日本警察犬協会公認訓練士 さいたま市動物愛護推進委員 戸田美由紀先生)
文/松本マユ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。