犬と暮らす
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犬のコトバの理解力は、人の2才児と同程度だって知ってた?
愛犬との暮らしのなかで、そう感じる場面は多いと思います。
今現在、犬を飼っていなくても、警察犬や盲導犬などの存在から、そう感じる人も少なくないのではないでしょうか。
犬には、人でいう「思考力」や「学習能力」といった能力が備わっていて、それが犬の知能や賢さに結びついていると考えられているそう。
そこで今回は、さまざまな研究を通じてわかってきた「犬の知能」についてご紹介します。
犬の知能がわかれば、愛犬との正しい接し方やお世話の仕方が見つかるはずです!
犬は行動の流れを覚えるのが得意
それなのに「ゴハンの時間になると吠える」ようになるのは、飼い主さんの行動ルーティンを観察し、記憶しているから。
たとえば、夕方の防災行政無線が鳴る→飼い主さんがキッチンに行く→棚からボウルを出す……といったような、ゴハン前の飼い主さんの一連の行動を愛犬はしっかり観察していて、その記憶をもとに「そろそろゴハンだ!はやくちょだい!」と思って吠えるのです。
また、数や時間の概念と同様に、「価値があるもの、ないもの」という人の抽象的な考え方についても、やはり犬は理解できないとされています。
そのため、どんなに高級な靴やカバンでも、噛んで壊してしまうこともあります。
噛まれたくないもの、傷つけられると困るものは、あらかじめ犬の目に触れない場所、届かない場所に片づけておくようにするといいですね!
犬は死を理解せず、未来の心配もしない
自分の体調が悪くなったときに不安は感じるかもしれませんが、「死んでしまうかも」と未来を心配したりしないのです。
同じように、記憶はありますが、過去を振り返る、回顧する、ということもできません。
つまり犬には、過去のことを叱っても意味がなく、未来の約束をしてもこれもまた理解できないのです。
ちなみに、人が死を理解するのは3~4才ごろからと言われています。
そのことを考えると、犬の知能は3才未満と言えるでしょう。
犬は2~3単語の組み合わせを理解できる
これは、人に例えると、2才半~3才未満の知能と同等なのだそう。
研究者によっては、3単語の組み合わせも理解できる、と唱えている人もいますが、いずれの場合も、言葉そのものの意味を理解しているというよりは、単語を「音」の響きとして聞き取っているようです。
とはいえ、上手に教えれば、いろいろな指示を覚えてくれるかも。
「“ボール”+“トッテ”」だけでなく、たとえば「“ドアの前” +“マッテ”」「“フセ”+“マッテ”」など、しつけの練習の延長として言葉を教えれば、その言葉と行動を覚えるだけでなく、いろいろなことをほめて教えてくれる飼い主さんとの関係性も深められそうですね!
犬は相手の立場に立って物事を考えない
しかし犬は、成犬になっても、これら感情が理解できません。
そのため、そそうをしても、食糞をしても、「恥ずかしい」「相手に申し訳ない」とは思いませんし、飼い主さんに対する当てつけでも嫌がらせでもありません。
また犬は、相手のこと“だけ”を考えて何かしようとは思わず、その場にいない相手のことを妄想して嫉妬することもないとされています。
つまり、目の前にいない飼い主さんとほかの犬が、愛犬の知らないまったく別の場所で触れ合ったり遊んでいたりしたとしても、そのシーンを妄想して嫉妬することはしないのです。
犬は、過去も未来も意識せず、今を生きることに一生懸命な動物です。
そしていつでも、大好きな飼い主さんの一挙手一投足に注目しています。
そんな愛犬の気持ちを大切に、今このときを有意義に暮らせるようお世話できるといいですね!
参考/「愛犬との暮らしをもっと楽しむいぬのきもち」2018年4月号『犬の知能に迫る』(監修:『誤解だらけの〝イヌの気持ち″』著書 藤田和生先生、Can! Do! Pet Dog School代表 西川文二先生)
イラスト/西イズミ
写真/佐藤正之
文/h.taco
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