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「子犬にも成犬にも確実性の高いトイレの教え方」でよくある質問|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.57

「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
前回「子犬にも成犬にも確実性の高いトイレの教え方」についてご紹介しました。
どんな方法かを再度簡単にご説明すると、クレート(プラスチック製のキャリーケース)とサークルを用意し、サークル内にトイレシーツを敷き詰めます。
犬がオシッコをガマンできる時間(犬の月齢+1時間)ごとに、犬をクレートから出してトイレに連れて行きます。
排泄したらすぐにごほうびをあげてほめてリビングに出し、遊びや社会化を行い、再度クレートに入れて休ませる。
これを繰り返すことで、犬が「排泄=トイレ」と確実に覚える方法です。
今回は、前回のやり方のフォローアップ講座。この方法を試すにあたってよくある質問に、先生が一問一答形式で答えます(編集部)

当コラムVol54で室内トイレの教え方をお話しました。
自分で書いておいてなんですが、改めて読み返すと、
なんでトイレトレーだけじゃなくサークル全体をトイレにするのか?
共働きなどの場合3時間おきに出すことができない、どうすればいいか?
ウンチは起き抜けにはしない。ではどうするのか?
などなどと読み手の頭に浮かんでくるのではないかという、数々の疑問。
ということで、今回はセルフツッコミ的に、自分で質問して自分で答えるというスタイルで、浮かんでくるであろう疑問にお答えしていきす。

質問そのイチ:なんで最初はトイレトレーだけじゃなくサークル全体をトイレにするの?

答え:囲われていないと最初はトイレスペースから出てきてしまうから。

トイレスペースでの排泄、その結果フードがもらえる、それを体験させるため。

質問その二:働いているので3時間おきになんか出すことができない。どうすればいい?

答え:オシッコをガマンできない時間のお留守番をさせる場合は、写真のような状態にして出かけます。
トイレを覚えるのに少し時間はかかりますが、「トイレ以外での排泄」を体験させないことが可能となります。
飼い主が在宅中は、クレートとトイレはセパレートに。オシッコがガマンできる時間を超えてお留守番させる場合は、写真のようにクレートとサークルを紐などでくっつける(隙間が生じるならアクリル板などで塞ぎ、出てこないように工夫が必要)

質問そのサン:ウンチはいつするかわからないけれど、どうすればいいの?

答え:ウンチは起き抜けにはしませんので、トイレサークルでオシッコを済ませたあと、犬からは目を離さないことです。
犬がソワソワしだす、ニオイ嗅ぎを急に始めるなどの、ウンチをする前のしぐさが見られたら、トイレサークルに入れウンチをするまで待つ。
そして、ウンチをしたらフードを与えてほめ、サークルから出してあげる。
こうすることで、ウンチをする場所も、ほめて教えていけるのです。

質問そのヨン:起き抜けにサークルに入れてもオシッコをしない場合はどうするの?

答え:リビングに出さずクレートに戻し、30分~1時間さらにオシッコを溜めさせます。トイレサークルでオシッコをしない限り、リビングには出さない、これを徹底することです。

質問そのゴ:目を離さざるを得ないときはどうするの?

答え:飼い主がキッチンへ立つなど、5秒でも目を離すのであれば、クレートで待機させるということ。目を離さなければ、失敗は防げます。

質問そのロク:起き抜けにオシッコをトイレサークル内でしたのに、しばらくするとまたオシッコするんだけど……

答え:トイレサークルでオシッコを済ませたあと、リビングに出すと10分ほどでまたオシッコ、という犬もいます。失敗を防ぐために、目は離さない、目を離すのならクレートで待機させる。
失敗が防ぎきれない場合は、いつ、どんな状況で排泄をしたかといったメモ取りを行うことです。
メモ取りを行うと、数日~1週間ほどで、排泄のタイミングがつかめます。排泄のタイミングがつかめれば、失敗させずにすみます。
ウンチ、オシッコのみならず、クレートでの待機、遊び、あま噛み、要求吠えなども「いつ、どこで」といったこともメモ取りするといい。自分の犬の行動パターンが見えてくると、事前に対応ができ、好ましくない行動の習慣化が防げる

質問そのナナ:フード欲しさにトイレに行ってはオシッコをちょびっとするんだけど……

答え:当コラムVol.45で、パートナー・ドッグのダップに合図でクシャミをするように教えた話を取り上げました。それと同様に
<先行刺激(排泄の合図)あり→行動(トイレでの排泄)→結果あり(フードもらえる)>
<先行刺激(排泄の合図)なし→行動(トイレでの排泄)→結果なし(フードなし)>
とします。
すると、排泄の合図に反応して排泄をするようになり、合図を発しないときに排泄をする頻度は減っていくのです。
合図はなんでも構いません。ちなみにダップと鉄三郎は盲導犬で用いる「1・2、1・2(ワンツー・ワンツー)」。1(ワン)はオシッコで、2(ツー)はウンチ。すなわち、「1・2、1・2」の合図は、訳せば「オシッコ・ウンチ、オシッコ・ウンチ」ということ
以上が、当コラムVol54を読み返して私の頭に浮かんだ、疑問点とその答えです。
え? すぐには思いつかないけど、もっとあるかも……ですか?
結構ですよ、疑問があればぜひその声を(トイレの話に限らず)コメント欄にお寄せください。お答えいたしますから。
文/西川文二
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can!Do!PetDogSchool」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『イヌのホンネ』(小学館新書)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!柴犬ぐらし』(西東社)など。パートナー・ドッグはダップくん(15才)、鉄三郎くん(11才)ともにオス/ミックス。
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