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犬が「唸る」心理と適切な対処法 警戒心、恐怖心のほかにもある!

日常で犬が唸るシーンを見ることもあると思いますが、どのようなときに唸ることが多いのでしょうか? 飼い主さんはそのときの犬の心理を理解して、対応できるとよいですね。

この記事では、犬が唸る理由と対処法について、いぬのきもち獣医師相談室の山口みき先生が解説します。

犬が唸る理由とは?

吠える犬
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犬が唸るのには、次のような理由があると考えられます。

所有欲をあらわしている

犬には、大切なものを取られたくないという所有欲(独占欲)があります。そのため、大切なものが奪われそうになったときに唸り声を上げ、相手を威嚇することがあります。

この行動は放っておくと、噛みついたり飛びかかったりするようになる恐れがあるので、しつけをする必要があります。

恐怖心がある

フセをする犬
getty
犬は身の危険を感じたり怖い思いをしたりすると、唸って対処しようとすることも。人に触られるのが好きではない犬もいますが、たとえば虐待などの過去の嫌な経験から唸るなどの行動をとる場合もあるので、慎重に向き合ってあげる必要があるでしょう。

過去に暴力や体罰などを受けたことで、人の手に対して恐怖心がある犬もいますが、これは「ハンドシャイ」という心の病気(トラウマ)の一種です。

このほかにも、社会化ができていない犬だと、飼い主さんや家族以外の手を怖がることも少なくありません。

こうした犬に対し、人の手に慣れさせようとして無理に触ろうとすると逆効果に。人の手に対する恐怖心で唸る犬の場合には、焦らずに少しずつ慣れさせていくことが大切です。

嫌悪感・不快感がある

犬は苦手なことをされたときに、嫌悪感や不快感から逃れるために唸ることがあります。

たとえば、ブラッシングや爪切り、シャンプーなどのお手入れが苦手な犬は多く、お手入れしようとすると唸ることも。これは、唸ることで苦手なことを遠ざけようとしていると考えられます。

信頼している飼い主さんであれば、ある程度我慢をする犬もいますが、ときには唸ったり、吠えたり、噛んだりすることもあります。

警戒心がある

くつろぐ犬
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犬の気質によっては、知らない犬や人が近づいてきたときに警戒し、追い払おうとして唸る場合があります。なかには、飼い主さんや仲間を守ろうとして唸るコもいるでしょう。

縄張り意識がある

犬が来客や宅配業者などの知らない人に対して唸るのは、縄張り意識からくる行動です。

これは犬の本能的な行動なのである程度は仕方がありませんが、エスカレートすると来客が帰るまで吠え続けたり、噛むなどの攻撃的な行動をとったりする恐れもあるので、しつけをする必要があります。

痛みがある

犬は体に痛みを感じているときに唸ることがあります。患部に触れられるのを嫌がり、唸ることもあるでしょう。

愛犬の体を触ったときに唸り声を上げて苦しそうにしているようであれば、動物病院を受診してください。

飼い主さんに唸るときは、信頼関係が築けていない可能性も

唸る犬
getty
犬が飼い主さんに向かって唸るのは、信頼関係が築けていないか、飼い主さんが犬の本能や習性を理解できていない可能性も。

家族で犬を飼っていて、特定の人に唸るなどする場合には、お世話の仕方を見直す必要があるかもしれません。家族内でのお世話の共通ルールを作り、愛犬が混乱しないようにしましょう。

楽しくて興奮している

唸るのはネガティブな意味合いだけではなく、楽しくて唸ってしまうこともあります。たとえば、飼い主さんと遊んでいる最中にしっぽを振って唸る場合は、楽しい気持ちから唸り声が出てしまっていると考えられます。

ただし、興奮しすぎるとケガや事故につながる恐れもあります。遊んでいて犬が唸ってきたときは、マテなどの指示を出し、一度クールダウンさせるようにしましょう。

唸ってしまう犬に対して行いたいしつけは?

見つめる犬
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このように、犬が唸るのにはさまざまな原因があります。上記で取り上げたもののなかでも、「所有欲」「恐怖心」「嫌悪感・不快感」「縄張り意識」による唸りは、しつけが必要になるでしょう。

所有欲で唸るときのしつけは?

くつろぐ犬
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たとえば、飼い主さんが愛犬がくわえているおもちゃを取ろうとしたときに、取られたくなくて唸ることがあると思います。そのときには、犬におやつを見せて「ちょうだい」と声をかけて、おもちゃとおやつを交換しましょう。

おやつを持って近づいても愛犬が唸るようであれば、おやつは与えずに、唸るのをやめて落ち着くのを待ってから、おやつを与えるようにしてください。

この動作を繰り返すことで、犬は「唸ることをやめたらよいことがある」と覚えます。おもちゃなどのお気に入りのものを飼い主さんが取ろうとしても、唸りにくくなるでしょう。

恐怖心で唸るときのしつけは?

くつろぐ犬
getty
先述のように、人の手に対して恐怖心がある犬の場合には、まずは犬の目線よりも下に手を置き、手からフードやおやつを与える練習をしてみましょう。

最初は無理をしなくてもよいですが、触れそうな場合は犬の目線の下から軽くなでてみてください。これに慣れたら、なでるたびにフードやおやつを1粒与えるのを、毎日少しずつでも繰り返していきましょう。

ポイントは、犬が嫌がったらすぐにやめることです。時間をかけながら、少しずつ犬に触れる時間を長くしていきましょう。

飼い主さんや家族以外の手を怖がる場合には、友人などに協力してもらい、同じ方法をやってみることがおすすめです。ただし、あまり改善が見られない場合はしつけ教室に通うなど、プロの手を借りたほうがよいケースもあります。

嫌悪感・不快感で唸るときのしつけは?

吠える犬
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ブラッシングや爪切り、シャンプーなどのお手入れの際に唸る犬もいますが、愛犬の健康のためにはお手入れも必要です。日頃から異常がないかの確認をするためにも、お手入れに少しずつ慣れさせていきましょう。

お手入れするときは、愛犬におやつをあげるなどして、お手入れに対してよいイメージをもたせることがポイントに。このときに、おやつをあげる人とお手入れをする人の2人がかりで行うと、スムーズです。

また、愛犬が嫌がっている場合には、無理に続けないようにすることも大切です。できるところから少しずつ始めましょう。

どうしても家でのお手入れが難しい場合は、無理にやると信頼関係を壊してしまう恐れもあるので、プロにお願いすることも検討してみてください。

縄張り意識で唸るときのしつけは?

おやつをもらう犬
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犬が来客時に唸るときは、おやつなどを与えながら対面させることで、来客に対してよい印象をもたせるようにしましょう。また、子犬の頃から苦手な人をつくらないように、さまざまな人と触れ合わせることも大切に。

チャイムが鳴って唸ってしまうのは、「チャイムが鳴る=人が来る前触れ」だと犬が学習し、追い払おうとしているのかもしれません。ずっと唸ったり吠えたりするようなら、チャイムの音を変えてみるなどの工夫もしてみましょう。
見つめる犬
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犬が唸ってしまうのには、何かしら理由があります。飼い主さんは愛犬の様子をよく見てあげて、適切な対応をしてあげましょう。
(監修:いぬきもち獣医師相談室 獣医師・山口みき先生)
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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