犬と暮らす
UP DATE
「おやつがないと何もできない!」「フセができない!」指示しつけのお悩みにプロが答えます!
Q1.おやつがないと指示を聞かないです。いいのでしょうか?
「ごほうびは犬のモチベーションアップのもと。おやつがあれば指示を聞いてくれるなら十分イイコです。飼い主さんがおやつをあまり使いたくないなら、おやつはトリーツポーチに隠して見せびらかさないようにしながら与えて。これを繰り返しながらおやつを与える回数を減らしていきましょう。」(戸田先生)
Q2.おやつに興味がない犬に指示しつけを教える方法は?
「そのおやつが魅力的でなかったり、おなかがいっぱいという可能性が考えられます。
集中して指示しつけを練習する日は朝ゴハンを控えるなど、愛犬がおやつに魅力を感じる状態に整えておくとよいでしょう。基本的には犬用チーズなどニオイの強いものが好まれるようですが、ゆで野菜などを好む犬もいるのでいろいろ試してみてください。」(戸田先生)
Q3.家族のなかでもゴハンをくれる人の指示を聞きやすいってホント?
「犬にとって食べ物の魅力はとても大きいもの。家族でゴハン係が決まっていると、その人に対する印象はどうしてもよくなります。とはいえ、続けるとゴハン係になった家族の指示しか聞かない犬になることもあるので、ゴハン係は家族で交代制にするなど、うまくバランスをとりましょう。」(戸田先生)
Q4.食事前のマッテは結局させたほうがいいの?
「マナーとして、ゴハンを持ってきたときに激しく飛びついたり、横から奪って食べる犬にすることは避けたいですよね。そのためにも、マッテをかけて愛犬をクールダウンさせるのは有効です。ただし長時間おあずけ状態にするのは犬にとって強いストレス。やるとしても数秒程度にとどめるべきです。」(戸田先生)
Q5.何度トレーニングしてもフセができません。コツを教えてください。
「ニオイの強いおやつを手に握りこみ、手を愛犬の鼻先に近づけて、ニオイをかがせながらフセの姿勢になるよう誘導する方法がおすすめ。オスワリができる犬なら『L字誘導』を、オスワリができない犬なら『足トンネル』を試してみましょう。」(戸田先生)
L字誘導
足トンネル
※足腰に持病や痛みがある犬では行わないでください。
Q6.指示で犬を左側につけるのはどうして? 右側ではダメですか?
「軍用犬教育の名残で人が右手に銃を持てるようにするためという説や、右利きが多いからなど諸説あるようですが、飼い主さんがやりやすく、愛犬の安全を確保できるならどちら側でも◎。飼い主さんがおやつを与える側の手があいていればOK。」(戸田先生)
Q7.オテとオカワリを教える必要はある?
「オテもオカワリも、指示しつけというよりも芸に近いものですので、絶対に教えなければいけないものではありません。しかし教えておくと、散歩後の足拭きや爪切りのときなどに便利なので、余裕があれば教えておいてもいいでしょう。」(戸田先生)
Q8.指示は英語で言ったほうがいいの?
「日常会話と指示を混同させないために、英語でしつけている飼い主さんもいるようですが、愛犬に伝わるなら何語でも問題ありません。指示は家族全員が同じ言葉を使ったほうが覚えやすいので、全員が言いやすい言葉にそろえておいて。」(戸田先生)
※この記事ではお話を伺った先生のご経験をもとに、あくまでもご見解のひとつとしてご回答いただいています。
お話を伺った先生/日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター。DOG IN TOTAL主宰 戸田美由紀先生
参考/「いぬのきもち」2022年2月号『しつけのギモン一問一答36』
写真/殿村忠博
文/いぬのきもち編集室
UP DATE