犬と暮らす
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犬にとって”食物繊維”はどれくらい必要なの? 正しい与え方を知っておこう
食物繊維は、犬のお腹の健康維持に役立つ大事な食品成分ですが、与え過ぎるとお腹の調子を崩すことも。「犬に食物繊維を含む食べ物を与える際の注意点」をいぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。
腸内環境を整えるが、量によって下痢の原因にもなる
野菜や果物などに多く含まれる食物繊維は、適切な量を犬に与えることで腸内環境を整えて排便を促したり、必須栄養素の吸収にも役立つ成分です。お腹の健康の維持の他にも、体内の老廃物の排泄を促す効果も期待できます。
しかし、人と比べて犬は食物繊維の消化が苦手なので、与え過ぎると軟便や下痢の原因となります。
食物繊維の多い食べ物
多くの野菜や果物、豆類は食物繊維を多く含みます。
キャベツやレタス、白菜、セロリ、さつまいも、小松菜、にんじん、かぼちゃ、柿などは犬に与えることができますが、与え過ぎると消化されず便にそのまま出てきたり、腸内環境の乱れや下痢などの原因となることがあります。
野菜を犬に与える際は、少量のトッピング程度にとどめ、栄養バランスに気をつけましょう。
食物繊維が豊富で犬に向かない食べ物
「ごぼう/なす」
ごぼうは食物繊維が多いので、下痢や軟便、強いアクが体内でカルシウムと反応して起こる尿石症になりやすいです。同様の理由でなすも犬には不向きとなります。
「おから」
おからは食物繊維が多すぎるため、軟便や下痢の原因となり、不健康な状態で体重が減ることもあるので注意してください。また、体のかゆみや下痢、嘔吐のような症状が出てきたら大豆アレルギーの可能性もあるので与えるのを控えましょう。
「とうもろこしの芯」
とうもろこしの粒の皮には、不溶性食物繊維のセルロースが多く含まれていて、腸のぜん動運動が促され便秘の予防や解消の効果が期待できます。しかし、とうもろこしの芯は、食物繊維の塊なので、丸飲みすると嘔吐などの症状や、最悪の場合は腸閉塞を引き起こす危険性があります。また気道を塞いで呼吸困難になる可能性もあるのでNGです。
「ドライフルーツ」
ドライフルーツは糖分が高いことと、食物繊維も多いので軟便や下痢の原因になります。多種類の果物が混ざっているドライフルーツでは、犬が中毒やアレルギーを起こすものが含まれている可能性があるので与えないようにしましょう。
食物繊維を多く含む食材の与え方
食物繊維が多く含まれる食べ物を与える際は、可能であれば皮はむいて、また、消化不良の原因になるので、生でなく加熱してから与える、小さく切り刻むなど調理方法を工夫して与えてください。
監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生
文/maki
編集/いぬのきもちWeb編集室
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください
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