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ペット保険を上手に選ぶポイントを伝授!ペット保険の基礎知識
今、ペット保険に注目が集まっています。しかし、加入率はまだまだ低く、全体の数パーセント程度にとどまっています。とはいえ、加入することで大切なペットを守り、いざというときに家計を助けてくれる役割を持つのがペット保険です。ペット保険とはどんな保険なのか、どのような内容になっているのか、加入を検討している方のために、知っておきたい基礎知識を集めました。ぜひ、じっくりとお読みくださいね。
ペット保険とはどんな保険?
どうする?ペットの治療費は全額自己負担
いざというとき大切なペットを守るために
ペット保険の仕組み
加入していれば金銭的な負担が軽くなり、ペットも飼い主も安心することができるペット保険。大切なペットといつまでも楽しく暮らしていくために、加入を検討したいですね。
ペット保険の必要性
ペット保険はなぜ必要?
ただ、ペットも人と同じです。たとえ今は元気だとしても、この先病気にかからないとは言い切れません。また、ペットの場合は年齢が若いときは骨折などのケガや異物誤飲が多く、年齢が高くなるにつれ病気にかかる可能性が高くなります。それに、病気によっては治療が長期化したり、手術が必要になったりすることもあります。そうなると、治療費は高額になってしまうでしょう。
それに、場合によってはペットの治療費が家計を圧迫することも考えられます。そんなリスクに備えてペット保険に加入しておけば、いざというときに、お金の心配なくペットを病院へ連れて行き、適切な治療を受けさせてあげることができるようになるのです。飼い主の経済的なリスクを避けるために、ペット保険は必要だと言えるのではないでしょうか。
治療費の相場
そこで、犬と猫が病院で治療を受ける機会の多い5種類の疾患をピックアップして、疾患別に1頭当たりの年間治療費を調べてみました。
ペット保険のメリット・デメリット
では、ペット保険のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
ペット保険の加入率
しかし人と同様に、ペットもケガをしたり病気になったりする可能性は十分にあります。いざというときに、家計を圧迫するからと病院へ連れていくのを断念してしまうのは、ペットも飼い主もつらいものです。
末永く大切なペットと生活していくために、ペット保険のことを考えてみてはいかがでしょうか。
ペット保険の選び方
ペット保険を選ぶときの手順
1. 補償内容をチェックする
2. 加入条件をチェックする
3. 加入したいペットの保険料を調べる
4. 付いている特約を確認する
5. 治療費の支払い方法を確認する
では、それぞれの手順でのポイントを見ていきましょう。
1. 補償内容をチェックする
また、希望する補償内容になっているかどうかもチェックしておきたいところです。
保険によっては、
・通院だけを補償するもの
・手術と入院を補償するもの
・通院、入院、手術の全部を補償するもの
があります。
さらに、多くの保険では支払限度額(1日あたりで支払われる保険金の限度額)や支払限度日数(年間を通して保険金が支払われる日数)が設定されていますので要チェックです。
2. 加入条件をチェックする
・対象になるペット
・契約可能年齢
・更新可能年齢
・加入したいペットの健康状態
多くのペット保険は犬と猫を対象にしています。犬猫以外のペットを加入させたい場合は、対象になるかどうかを確認しましょう。
ペット保険に加入する際、重要なポイントとなるのが、契約可能年齢と更新可能年齢です。保険によっては高齢のペットは加入できないものがあります。新規で契約できる年齢は確認しておきましょう。また、ほとんどのペット保険は保険期間が1年で、2年目以降は自動更新となっています。しかし、保険によっては高齢になると更新できなくなるものもあります。一生涯、補償してくれる保険を希望するときは、更新可能年齢を確認し、補償が終身になっているかどうかチェックしておきましょう。
人の医療保険では、すでにかかっている病気については保険対象外となっています。ペットの場合も同様で、かかったことのある病気での補償は受けられません。また、治療中のケガや病気も保険の対象にならない場合があります。基本的に、ペットが若く健康なうちに、加入を検討しておくことが大切です。
3.加入したいペットの保険料を調べる
4.付いている特約を確認する
この他にも、ペット用車イス費用特約、葬儀費用・火葬費用特約、ガン手術保険金特約、診断書費用保険金特約といった特約が付いている保険もありますので、希望する特約がある保険を探してみましょう。
5.治療費の支払い方法を確認する
・窓口精算
・一旦、窓口で支払って、後日保険会社に請求
普通、後日請求のペット保険の場合、一旦治療費の全額を窓口で支払う必要があるため、まとまったお金を準備しなければなりません。それに保険金を請求する際は、診断書や領収書など必要書類を揃えなければならず、少し手間がかかるかもしれません。その点、窓口精算の場合は、保険の対象とならない分を窓口で支払うだけなので、まとまったお金を準備する必要がなく、金銭的負担が軽くなります。
ペット保険の種類と補償内容
ではここで、ペット保険の種類についてご紹介しましょう。
ペット保険の種類
保険を販売する会社は、次のように種類分けされます。
○保険会社
ペット保険を販売しているのは損害保険会社です。「保険契約者保護機構」に加入しているため、もし会社が破綻しても一定割合の保険金は補償されます。また、損害保険会社の扱う保険の補償額は高めに設定されています。
○少額短期保険業者
2006年4月に保険業法が改正されたことで、新たに誕生した保険会社です。少額短期保険業者が扱える保険には制約があり、保険金額が少額、保険期間は1年(2年のものもあり)で、いわゆる掛け捨て型の保険に限られています。また、少額短期保険業者は「保険契約者保護機構」に加入していないため、会社が経営破綻となった場合は保険金が補償されない場合もありますので、留意しておきましょう。
補償タイプの違いによる種類分けは、以下の通りです。
○定率補償型
治療費のうち一定割合の補償が受けられるタイプ。ペット保険では50%や70%のものが多く、通院や入院、手術、薬代としてかかった費用の一定割合が保険金として支払われます。また、補償割合が高いほうが保険金は増えますが、その分保険料も高くなります。ただし、病気を予防するための薬やワクチン接種の費用は補償の対象外となります。
○実額補償型
治療費の全額が補償されるタイプ。ただし、たいていは補償限度額が定められているため、治療費が高額になったとしても、全額が補償されるとは限りません。このタイプの場合も、通院や入院、手術、薬代にかかった費用は補償の対象になりますが、病気を予防するための薬やワクチン接種の費用は補償の対象外です。
ペット保険では、以上のような保険を販売する会社と補償タイプの違いの他にも、次のような種類分けができます。
○終身タイプ
補償が一生涯受けられるもの。高齢になっても補償が続くのは安心ですね。
○年齢制限タイプ
更新可能年齢が設定されているもの。高齢の場合は、定められた年齢になると契約が更新できなくなる場合があります。
ペット保険の審査と加入条件・年齢
ペット保険の加入条件
・加入したい動物の種類
・加入できる年齢
・更新できる年齢
・病歴
・事前の健康診断
多くのペット保険では、上記のような点はどのように設定されているのか気になるところ。では、保険会社が定める審査のポイントを見ていきましょう。
ペット保険・審査のポイント
(1)該当する動物の種類かどうか
ペット保険では、加入できる動物が決まっています。多くの保険では、犬や猫を対象にしています。しかし保険によっては、ウサギ、鳥、フェレット、ハムスター、カメなども加入できる保険がありますので、インターネットで検索してみるとよいでしょう。
(2)加入できる年齢かどうか
ペット保険に新規加入するには年齢制限があります。多くの場合、新規加入年齢を0歳から10歳前後としています。保険会社のサイトやパンフレットなどで新規加入が可能な年齢を確認しておきましょう。
(3)これまで病気にかかったことはあるか
基本的に、ペット保険に加入できるのは健康体のペットです。人が保険に加入する際、事前に病歴を告知する必要がありますが、ペットの場合も同様です。これまでにかかった病気を正しく告知しなければなりません。もし告知した内容が事実と異なる場合は、保険金が支払われなかったり、契約解除になったりすることがあります。また、治療中の病気についても、正しく告知する必要があります。これまでにかかった病気の名前がよくわからない場合は、かかりつけの病院で確認しましょう。
病気によっては、加入ができないものもあります。多くの保険会社で設定されている、加入を断られる病気の一例をあげてみました。
悪性腫瘍
慢性腎不全
糖尿病
肝硬変(肝繊維症)
副腎皮質機能低下症(アジソン病)
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
甲状腺疾患
免疫介在性血小板減少症
免疫介在性溶血性貧血
巨大結腸症
巨大食道症(食道拡張症)
膵臓外分泌不全
猫伝染性腹膜炎
猫白血病ウイルス感染症
事前の健康診断については、必要としないところと、年齢が高い場合のみ必要としているところなど、設定された条件はさまざまなので、これも確認しておきましょう。
保険が適用外になる場合
・既往症や先天性異常などがある場合
・ワクチン等の予防接種により予防できる病気になった場合(※)
・妊娠・出産にかかわる費用の場合
・去勢や避妊手術、歯石取り、耳掃除など、ケガ・病気にあたらないもの
・病気の予防のためのワクチン接種やマイクロチップの装着費用
・検査費用
・病院で処方された健康食品・医薬部外品などの費用
・代替医療などの費用
・時間外診療や往診料などの治療付帯費用
この他にも適用外となるものがあるかもしれませんので、ペット保険の約款などで確認してください。
(※)ワクチン接種で予防できる病気とは、以下の通りです。
犬バルボウイルス感染症
犬ジステンバーウイルス感染症
犬バラインフルエンザ感染症
犬伝染性肝炎
犬アデノウイルス2型感染症
狂犬病
犬コロナウイルス感染症
犬レプトスピラ感染症
フィラリア感染症
猫汎白血球減少症
猫カリシウイルス感染症
猫ウイルス性鼻気管炎
猫白血病ウイルス感染症
ペット保険の保険料と見積もりシミュレーション
ペット保険の保険料はどう決まる?
・動物の種類(犬、猫、その他の動物)
・品種
・年齢
・補償割合(50%や70%など)
主な特徴は、毎年ペットの年齢が上がるごとに、少しずつ保険料が上がっていく点。また、月額のほか、年払いの料金を設定している会社もあります。
保険料の相場
○A社:年払いの場合・7歳まで
・小型犬 (補償割合70%)33,000円~57,000円
(補償割合50%)25,000円~41,000円
・中型犬 (補償割合70%)37,000円~68,000円
(補償割合50%)27,000円~49,000円
・大型犬 (補償割合70%)46,000円~88,000円
(補償割合50%)31,000円~64,000円
・猫 (補償割合70%)34,000円~42,000円
(補償割合50%)25,000円~31,000円
上記は、あくまでも参考価格です。ご加入を検討される場合は、保険会社のサイトやパンフレットなどに掲載されている保険料の一覧表を確認しておきましょう。
保険料簡易シミュレーション
ペット保険に加入するときの注意点とトラブルについて
ペット保険に加入する際の注意点
ではここで、ペット保険に加入する際の注意点を4つ、ご紹介しましょう。
(1)保険には「待機期間」がある
この待機期間中にケガをしたり病気になったりしても、補償を受けることができませんので注意しましょう。
(2)免責金額がある
(3)告知義務がある
下記は、ペットに関して告知の必要がある事項の一例です。
・動物の種類
・品種
・体重
・年齢
・病気やケガの履歴
・現在の健康状態
・他のペット保険への加入状況 など
正しく告知しなかった場合は契約違反となり、保険金が支払われなかったり、契約解除となったりするので注意が必要です。くれぐれも正しく告知するようにしましょう。
(4)保険金は毎年上がる
ペット保険に加入中の注意点
よくあるトラブルと対処法
ペット保険では、次のような病気は、補償の対象外になっています。
・先天性異常の病気
・契約前にかかったことのある病気
・ワクチンなどの予防接種をすることで防ぐことができる病気
・妊娠、出産にまつわる費用
・去勢や避妊手術、歯石取りなど、ケガや病気にあたらないもの
・予防接種の費用
・健康診断などの検査費用 など
これらは約款や重要事項説明書に記載してありますが、よく確認をしなかった契約者が勘違いして保険金を請求することで、トラブルとなってしまうのです。この他、告知義務や通知義務違反によって補償が受けられないケースもあります。保険金を受け取るためには、契約者は求められる義務を果たすことは大前提です。
このようなトラブルを避けるためにも、保険を契約した際にもらえる約款や重要事項説明書などは、必ず目を通すようにしましょう。
いかがでしたか? ペット保険についておわかりいただけたでしょうか。ペット保険は、大切なペットがケガをしたり病気になったりしたときに、お金の心配なく病院で治療を受けさせてあげるためのものです。ペット保険を選ぶときは、家計に影響を与えないようにすることも大事ですが、保険料が安ければいい保険というわけではありません。補償内容などを十分に比較、検討したうえで、大切なペットに合った保険を選ぶようにしたいですね。
ファイナンシャル・プランナー 前佛 朋子
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