犬を飼いたいと思ったとき、「大型犬を飼いたい!」と憧れを抱く人も多いでしょう。しかし、大型犬は体も大きいため、小型犬と同じようにはいかない部分も多くあります。
今回は、「大型犬を飼うときに知っておくべき8つのポイント」と「大型犬を室内飼いするときに覚えておきたい2つのこと」について、いぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生が解説します。
大型犬を飼うときに知っておくべき8つのこと
まずは、大型犬を飼うときに知っておきたい8つのことについて。予め知っておかないと、あとで「こんなはずでは…」という状況になりかねません。しっかり押さえておきましょう。
①運動量が多い
大型犬は小型犬よりも運動量が多く必要なため、遊ぶ時間や散歩時間なども長くなります。飼い主さん側の体力や時間も必要になってくるでしょう。
②食事量が多い
大型犬は、食事量も小型犬と同じようにはいきません。たくさん食べるため、そのぶん食費も多くかかります。
③排泄量が多い
大型犬は食べるごはんの量が多い分、小型犬よりも排泄量も多くなります。
④抜け毛の量が多い
大型犬だと、換毛期は特に抜け毛が多くなります。室内飼いの場合、至るところに愛犬の抜け毛がある…という状況になることも。
⑤寿命が短い
一般的に、
大型犬は小型犬よりも寿命が短い傾向にあります。個体差はあるものの、
- 超小型犬の平均寿命→15才くらい
- 小型犬の平均寿命→14才くらい
- 中型犬の平均寿命→13才~14.02才くらい
- 大型犬の平均寿命→12.5才
とされています。
⑥医療費が高い
大型犬は体も大きく投薬量も増えるため、医療費が高額になる傾向があります。
⑦生活スペースが大きく必要(犬用ベッド、トイレなど)
大型犬は体が大きいため、トイレや犬用ベッドなどのサイズも大きめに。室内飼いの場合、それらを室内に置くと、部屋のスペースをかなり占めることになります。大型犬と生活できるだけの部屋が必要になってきます。
⑧しっかりとしたしつけが必要
大型犬は力も強く、吠える声なども大きいです。小型犬もしつけはもちろん必要ですが、大型犬はとくに引っぱり癖や咬み癖、吠えに対するしつけなどが大切です。きちんとしないと事故につながることもあって危険なので、しつけ教室に通う方も多いです。
大型犬を室内で飼うときに気をつけたい2つのこと
また、上記のほかにも、大型犬を室内で飼う場合に覚えておきたいことがあります。以下の2つを確認してください。
①フローリングで滑ることによる転倒対策をしよう
大型犬に限ることではないですが、フローリングの床で滑って転倒することにより、足腰に負担がかかる恐れがあります。対策として、床を滑らない素材のものにしたり、カーペットを敷いたりなどして対応してあげましょう。同時に、肥満も足腰に負担がかかってしまうので、注意してあげてください。
また、小型犬では届かないような場所に置いてあるものでも大型犬には届いていたずらしてしまう可能性も。また、重たいものでも倒してしまったりする場合もあるので、家具の配置やいたずらされては困るものをしっかりと管理できるお部屋づくりが必要です。
②寝たきりになったときの介護はどうするのかを考えておこう
将来、愛犬の介護が必要になる日もくるでしょう。そんなとき、大型犬の場合は体が大きいので、介護が大変です。たとえば、床ずれができないように寝返りをうたせたり、愛犬を抱えて階段を上り下りすることも苦労するでしょう。
飼い主さんは、エレベーターが設置されている物件や、すぐ外へ出ることができる部屋に住むことなど、住環境を考える必要もあります。
愛犬が元気なうちから、介護になったときのことを家族で話し合おう
また、介護はひとりでは難しいことが多いので、人手が必要になることもあります。ペットシッターサービスの利用なども考えておきましょう。
実際、大型犬を飼っている飼い主さんの中には「犬が若いときは自分で歩けるため、介護のことまで考えられなかった」という方が多いのが実情のようです。
いざというときのためにも、愛犬と飼い主さんの将来のことは、家族みんなで話し合うようにしてみてくださいね。
監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
編集/いぬのきもちWeb編集室