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犬が「散歩中によく見せる行動」で多いのはなに? 行動の理由と注意点|獣医師解説
犬が散歩中によくする行動には、どのようなものがあるのでしょうか?
【調査】愛犬が散歩中によく見せる行動は?
今回いぬのきもちWEB MAGAZINEでは、飼い主さん199名に「愛犬が散歩中によく見せる行動」について、アンケート調査を行ないました。
「ニオイくんくん/ウンチ前のくるくる/草を食べる/側溝を怖がる/その他」の選択肢より選んでもらったところ、もっとも多かったのが「ニオイくんくん」で、次いで「ウンチ前のくるくる」「草を食べる」と続きました。
実際にどのような状況なのか、飼い主さんから寄せられたエピソードを紹介します。
ニオイくんくん
- 「公園では常にクンクンしてます」
- 「常にクンクンして、大好きなワン友の匂いか嗅ぎ分けています。付いたばかりのワン友の匂いとわかると、ダッシュで追いかけます」
- 「お散歩デビューしたてで道に慣れていなくて、ずっとクンクン地面を嗅いでます」
- 「どのワンちゃんのオシッコ跡でもいいのではないみたいです。お気に入りのワンちゃんのオシッコ跡を見つけると、かなり時間をかけてニオイをクンクンしています」
- 「少し歩いてくんくん。歩き出してもすぐくんくんの繰り返しです」
- 「とにかく他の犬がオシッコやウンチをしたであろう後を長く嗅いでいて、なかなか前に進まない」
ウンチ前のくるくる
- 「ウンチしたい場所が決まっていて、近くに行くとソワソワして早歩きになり、クルクル回ってウンチする」
- 「本当、何回まわるのってぐらいクルクルまわります」
- 「ウンチ前にくるくる。『イヤ、ここじゃない』と歩き出し、またくるくる。『ここじゃない』を数度繰り返している」
- 「気持ちが落ち着くポイントを探しているのか、くるくるピタを繰り返して、なかなか用を足さないときがある」
- 「ウンチをするときは必ずくるくる回ります。そのあと、しっぽを上に上げてウンチをします。ちなみに、オシッコのときはクルクルしません。メスですが、片足を上には上げず、前に伸ばしてオシッコします」
草を食べる
- 「ここのところ散歩道に新しい草が次々に生えていて、すぐに止まっては口に入れてます」
- 「草は犬のオシッコとかかかってないか?心配」
- 「止めても草を食べてしまうのですが、同じ種類の草(1種類)しか食べません」
- 「草は新芽のところだけ選んで食べています」
- 「草にも好みがあるようで、好きな草がないときは食べないけど、好きな草があるときはそこからなかなか動いてくれない」
側溝を怖がる
- 「側溝の網にビビりまくってジャンプして、飛び越えたら走って逃げようとします」
- 「側溝はまたげない」
- 「側溝の網を怖がって、避けて歩いたり、ちょっと長めの飛び越える準備をしたりする」
- 「側溝の他に丸い模様のある坂道の丸が怖いらしく、丸をよけて歩く」
その他
「ニオイくんくん/ウンチ前のくるくる/草を食べる/側溝を怖がる」の選択肢以外には、次のような声が寄せられました。
- 「ウンチ直後の直立不動です。リセットしてるのかしばらく動きません」
- 「隅っこしか歩かないので、体の右側に汚れが集中する」
- 「土などを後ろ脚で蹴る」
- 「なにかを考え、急に片前足をピッと上げたまま止まってしまう」
- 「とにかく、落ちているものを口にします。気を付けないと飲み込んでしまうので、なんとかしたい。先日、食欲がなくて嘔吐したときがあり、その中に枯葉がそのままの状態で混ざってました(結構大きいまま)」
【獣医師解説】犬が散歩中によくする行動の理由は?
犬が散歩中によくする行動には、どのような理由があるのでしょうか? いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生が解説します。
ニオイくんくんの理由は?
犬は嗅覚が優れているため、周囲のニオイを嗅ぐことで情報を集めています。好奇心の強い犬に見られやすい傾向があります。
ウンチ前のくるくるの理由は?
ウンチをする前にくるくると回る行動をするのは、排泄する場所を足で踏んで確認し、どこでしようか決めているのでしょう。散歩(外)に慣れている犬に見られやすい行動です。
草を食べる理由は?
草の食感や味が好きで食べていることもあれば、胃腸の不快感から食べていることもあるでしょう。胃腸の不調があるかもしれないので、食欲の低下などがないか注意深く観察してください。
また、草には除草剤などがまかれている可能性もありますし、悪心があるときに草を食べるのはメリットよりもデメリットのほうが大きいです。
愛犬が食べたがっても、基本的には草を食べる習慣はつけないほうがよいです。
側溝を怖がる理由は?
側溝を前にすると立ち止まる犬がいますが、踏んだときの感触が不安定だったり、穴があいているように見えて怖いのかもしれません。どちらかというと、警戒心の強い犬や怖がりな犬に見られやすい傾向があります。
足が側溝に引っかかったり、無理に側溝の上を歩かせると、散歩自体を嫌がるようになる可能性があります。対策として、側溝の手前で歩くスピードを落とし、愛犬に気づかせやすくしてあげましょう。
土などを後ろ足で蹴る理由は?
排泄後に土を後ろ足で蹴る犬がいますが、この場合はマーキング行動の一種だと考えられます。縄張りを主張する意味合いが強いため、オス犬に多く見られる傾向があります。
犬が拾い食いをしないようにするためには?
アンケートの回答にもありましたが、散歩中に地面にある物を拾い食いしてしまう犬もいるでしょう。
犬はもともと、物を口に含んで確認する習性があります。散歩中に気になる物を見つけた際、とられないようにと咄嗟に飲み込んでしまうことも多く、注意が必要です。
拾い食いは、続けることで習慣化してしまいます。対策としては、散歩の際には飼い主さんがリードを短く持って未然に拾い食いを防ぎ、習慣をなくしていくことが大切です。
また、散歩中にアイコンタクトを積極的にとる練習をすることもよいですね。目が合ったらご褒美をあげることを繰り返して、覚えさせましょう。アイコンタクトができると飼い主さんに意識がいきますので、拾い食いを防ぐことができます。
散歩中によく見られる犬の行動ですが、草を食べたり拾い食いをしたりなど注意が必要な行動も。どのような影響が出てしまうのかを把握して、飼い主さんは対処に努めたいですね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 岡本りさ先生)
いぬのきもちWEB MAGAZINE『愛犬が散歩中に見せる行動に関するアンケートvol.01』
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/柴田おまめ
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